鬼面の涙 (2016年)

少年映画評価 4点
作品総合評価 4点
少年の出番 100%(主役ではあります)
お薦めポイント 神楽と母、どちらが大事
映画情報など 2016年製作。チャンネルNECOにて放送。
(写真は、主役の錦織大護君。)


しまね映画祭実行委員会による短編映画。島根県は映画製作に力を入れているのでしょうか。衛星放送のチャンネルNECOでは、島根県のローカル作品をしっかり放送してくれます。ただ10分に満たない短編映画ですので、かなり物足りません。せめて30分くらいあればいいのですが。(それでも第5部から第3部に格上げしました)

鬼の面が取れなくなり、そのまま学校へ行く
■ストーリー

島根県に住む小学生の陸(錦織大護君)は、地元の神社で舞う神楽に夢中だ。今日も練習して帰宅。しかし母親は勉強そっちのけで神楽に入れ込む陸に、毎日のように小言を言う。そんな母親に陸は「母ちゃんなんて消えてしまえ」と酷い言葉を投げ、神楽の面(鬼の面)を被ったまま、寝てしまった。

翌朝、面を取ろうとしたが、どうしても取れない。母ちゃんもいない。遅刻しそうなので、面をつけたまま学校へ行く。クラスの女子に、昨晩母と喧嘩した事を話すと、女子は怪訝な顔「あんたの家、母ちゃんいないじゃないの」そんな馬鹿な。

学校が終わって急いで家へ帰る道すがら、母を発見。安心した陸が「もう、母ちゃん」と話しかけるが。

■大切なもの

ストーリーを全部書いてしまいそうなので、慌てて途中で止めました。母親というのは口うるさいもの。その有り難みというのは、いなくなって始めて判るものかもしれません。神楽と母ちゃん。天秤にかけるものではなく、どちらも大切なのですが、そういう世渡り?は、これから学んでいくのでしょう。

舞台は島根県の雲南市。私は地理は苦手ではありませんが、そんな名前の市があったのかと。中国の都市だろうかなんて思っていました。島根県の広い日本海側は、私にとって未開の場所。この映画を機に、ちょっと旅行に行ってみたくなりました。

さて映画の話に戻りますが、先にも書きましたように10分で表現するのは大変です。しかも主人公は少年の錦織大護君(テニス選手と同じ、にしごりと読むのでしょうか)。でも錦織君は、セリフも違和感なく、自然に演じていたと思います。

youtubeにupされた予告編では「しまね映画塾2016in雲南、主演男優賞/観客賞受賞」とありますので、錦織君が賞を貰ったとしたら、本当におめでとうございます。ネットで検索しても全く出てきませんので、詳細は判りません。(錦織君は、同じ島根県の短編映画「夏の日の活劇」にも出演)

やっぱり停滞している地方や日本を元気にするのは、若い少年少女たちですよ。特に少年俳優には頑張って欲しいものです。地方映画にはこれかも期待大。皆様も機会があればご覧になって下さい。

今日も母ちゃんから小言を言われる
「母ちゃん」涙を流した時、鬼面が外れた






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