ブルーハーツが聴こえる(少年の詩) (2017年)

少年映画評価 6点(6話オムニバスの中の1作「少年の詩」について)
作品総合評価 4点
少年の出番 100%(「少年の詩」は堂々主役)
お薦めポイント Jホラー巨匠清水崇監督の短編少年映画
映画情報など 2017年製作。BD/DVD発売中
(写真は「少年の詩」主役の内川蓮生君)


THE BLUE HEARTSというバンドは私とほぼ同じ世代。でもリンダリンダくらいしか知りません。今でも熱烈なファンの方が多いそうで、6人の映画監督が、彼らの楽曲を自由にイメージした短編映画を作ってオムニバスとしてまとめたのが本作。2014年から製作開始しながら種々の理由で公開は2017年。

公開後も知らなかったのですが、ノースエンド先生や他の方のblogで「少年の詩」は内川蓮生君の主役との事を知りレンタルで鑑賞。また「1001のバイオリン」には荒木飛羽君も出演していますが,残念ながら出番は僅か。ですので本レビューの末尾にほんの少しだけ補遺として掲載。

折しも内川蓮生君は黒執事のシエルとして気になっていただけに、レンタルDVDでは飽き足らずブルーレイ中古版をAmazonで購入してしまいました。特典DISCのメイキングも見たかったので。

手作りのボンバー仮面の扮装でエスカレーターを逆行してスーパー屋上へ
(なんとなく悲しげな表情...)
■ストーリー(少年の詩)

小4の健(内川蓮生)は母(優香)と2人暮し。母は近くのスーパーで勤務。上司の男(新井浩文)が母に再婚をプロポーズ、でも健は男が好きでなかった。クリスマスにスーパー屋上でボンバー仮面ショーを行う事になり、母も残業を命じられた。実は健がボンバー仮面に憧れている事を知った上司が、健の気を引くために企画。

しかし健はショーには行かず帰宅。そこへ小包が届いた。上司の男から健にプレゼント。ボンバー仮面の変身セットだ。プチンとキレた健は手作りの仮面をつけると家を飛び出して走りに走ってスーパーの屋上へ。そこにはボンバー仮面に扮した上司の男が...健は飛び上がってボンバーパ〜ンチ!

数時間後。健と母は二人とぼとぼと帰宅の途に。「また新しい職場探さないと...」でも二人はどこか楽しそうだ。

■少年の詩

恥ずかしながら少年の詩という曲を知りませんでしたのでyoutubeで何回か鑑賞。清水崇監督の本作と比べると「少年」の年齢が少し高い、いわゆる思春期や反抗期の入り口でしょうか。「そしてナイフを持って立っていた」という物騒な歌詞がリフレイン。

ナイフは少年の中の葛藤を断ち切ろうとする心でしょうか。スピッツの「空を飛べるはず」にも隠したナイフが出てきます。(ちなみにスピッツの方は私のカラオケレパートリー。上手いと言われた事は皆無ですけど)

映画作品に話を戻すとシングルマザーと少年の葛藤。少年にとって大切な2つ。最愛のお母さんと憧れていたヒーローのボンバー仮面。その両方を奪い去ろうとした男に対してナイフを振り上げてしまった。そして「どうにもならない事は、どうにでもなっていい事」にも気づいてしまった。

メイキングや清水監督のインタビューによると本作は予算不足で厳しかったようです。Jホラー巨匠の清水監督がまるで学生映画のような製作で苦労したのでしょうけれど、それは初心に還る意味で良かったのではと、外野の私は勝手に思っています。

10歳当時の内川蓮生君。さすがに幼くて可愛いのですが、この頃からシエル坊ちゃんの面影があります。きりっとした大きな目がいいですねえ。公開されたのは撮影2年後。舞台挨拶では12歳の中学生。もう1回清水崇監督のホラー映画で主役少年として出て欲しいなんて。

仕事に出ていった母をぼんやりと...
(手すりにアゴをのせてくれたら萌えポーズ?)
先生から注意を受けてもうわの空

ボンバー仮面をやっつけてしまった
(そしてナイフを持って立っていた?)
夕焼けの中。母と二人で帰る
(母はクビか...でもすっきりした)

メイキングより。清水崇監督と。
(清水監督は少年好きかも。呪怨でも俊雄がいるし...)
舞台挨拶。12歳の中学生に成長していました
(ちょうど黒執事の1年目の頃。美少年ですなあ...)



(補遺)「1001のバイオリン」(李相日監督)

福島原発に勤務していた男(豊川悦司)は事故後すぐに家族4人で東京へ脱出。愛犬を置いたまま。息子(荒木飛羽)は死んだ犬の事を作文に書いた。男は原発時代の部下を連れて福島へ犬を探しに行くという。まだ死んでないと...

息子役の荒木飛羽君が可愛いのですが出番が少ないのが残念。父と一緒に福島まで犬を探しに行って欲しかった。なお同じようなテーマで映画「ハルをさがして」という作品もありました。なお残りの4話は以下の通り。

「ハンマー(48億のブルース)」(飯塚健監督)
「人にやさしく」(下山天監督)
「ラブレター」(井口昇監督)
「ジョウネツノバラ」(工藤伸一監督)

作文を読む息子(荒木飛羽君)
(なかなかイケメン。もう少し出番があればなあ...)
メイキングより荒木飛羽君






▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼第3部トップへ戻る