ラストサマーウォーズ (2022年)

少年映画評価 B+
作品総合評価 B-
少年の出番 ほぼ100%(少年少女の群像劇)
お薦めポイント 阿久津慶人君の抑え気味の演技が際立つ。
映画情報など 2022年公開。DVD等は未定。
写真は阿久津慶人君。


2022年は7月になって初めて映画館へ。そこで鑑賞したのが本作品。埼玉県入間市の地元映画。これはひょっとしたらDVDも出ない可能性があるため、劇場鑑賞しておく事にしました。少年少女の群像劇だと思っていましたので期待はしていませんでした。

でも主演の阿久津慶人君は群像から抜け出ていて、意外にも熱い少年映画でした。客寄せに、ジャニーズ事務所や元乃木坂46のアイドルの方々も出演していましたが、少年少女たちを押しのけるような事もなく控えめでしたので、好感が持てました。

映画公式サイトより。少年少女キャスト。右から3人目が主役の阿久津慶人君。

入間市の小学生6年生ヨウタ(阿久津慶人)。片想いのアスカが夏休みに外国へ転居と聞いて告白。僕の映画に出演して下さい。意外にもアスカは喜んでOK。しかし映画の作り方など全く知らないヨウタは担任の先生の指導を受けて映画作り開始。まずはスタッフ集め。トントン拍子に脚本、助監督、撮影、録音の男女4人が集まった。

入間市の伝承とゾンビ?をテーマに撮影開始。しかし些細な事故がきっかけでヨウタの母がクレーム。映画製作は中止させられた。しかしヨウタたちはこっそり製作を再開。親たちの妨害を受けながらも映画は完成。新学期。転居したはずのアスカが登校してきた...えっなんで?


2015年の映画『なつやすみの巨匠』と殆ど同じプロット。リメイクといってもいいくらい。比較はしませんが、どちらも主役少年が頑張っており、爽やかな作品です。

主人公のヨウタは映画オタクという設定。古今東西の映画、かなりマニアックな作品まで見ています。でも映画作りはスマホで犬を撮るくらい。しかし担任の女性教師は学生時代に映研か何かで本格的に映画監督経験があるとの設定。ただ先生もまた映画製作は途中で挫折。

今や映画はスマホ1台あれば1人でもそこそこの作品は出来ると思うのですが。でもさすがに本作のスタッフは映画人。そんな邪道ではなく、カチンコを振って昔ながらの伝統的な映画製作手法を描きます。映画人のプライドですね。

メインの出演者は少女3人と少年3人。でもNHKEテレのように女の子はハイテンションで前へ前へ。男の子はどうしても後に引いてしまう。女子3人は全員がヒロインを張れそうな美少女。男子はズッコケ3人組そのもの。どうしてもこうなるのかなと思ってあきらめ気分で鑑賞。

しかし見ていくうちに阿久津慶人君演じるヨウタに感情移入。学校では親しい友だちもおらず、ひたすらノートに映画の場面を書いているネクラ少年。そんなヨウタが美少女たちと映画作り。しかも監督とは。頼りない少年が、最後には信頼できる監督の表情になっているのが素晴らしい。

最後にこりゃないわを2点。
1点目は美少女アスカの転校。夏休みの終わりに海外旅行へ行くと言っただけ。誰も転校なんて言ってない。ヨウタの早合点。しかし判るでしょう。オチにしたかったのでしょうが無理。

2点目はヨウタの小学生最後の夏休みを捧げて完成した映画はどうなったの。ジャニーズのお兄さんが太鼓を叩いて作ったBGMも。せめてさわりだけでも上映して欲しかった。もしかするとエンドロールのどこかで上映していたのを見過ごしていたのかもしれませんが。


※画像は公式サイトと予告編しかありませんので、画像は少なめです。またDVDや放送があって映画本編の静止画が撮れましたら画像を追加します。

映画製作を禁じられたが、ヨウタは自分の意志で再開。
ゲリラ的に撮影を行う。
親しい友人もおらず、気弱だったヨウタ。
映画製作と仲間を通じて、表情が頼もしくなった。



※後記
映画予告編。動画サムネイルが女の子でしたので、最初は彼女が主演かと思っていました。どうもこの彼女のようなハイテンションタイプの女の子は苦手です。そういうキャラクターを演じているだけでしょうけれど。




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