学校の中のシマウマたち (2022年)

少年映画評価 B+
作品総合評価
少年の出番 ほぼ100%
お薦めポイント 1/2成人式なんて必要なの?
映画情報など 2022年9月よりyoutubeで無料配信中。33分の短編。
写真は平野翔大君、土岐田育君。


映画や相馬雄太監督さんの事は全く知りませんでしたが、ネットで本作が2022年の9月30日からyoutubeで無料配信というニュースをみて鑑賞したものです。NHK Eテレの道徳番組のような感じでしたが、主役二人の子役さんは熱演でした。

リョウスケ(左)は、元気のないヒナタ(右)を学校の屋上へ連れ出して理由を聞いた。

小学4年生のクラスでは1/2成人式で両親への感謝の手紙を読む事になっていた。リョウスケ(土岐田育)は親友のヒナタ(平野翔大)の元気が無い様子をみて理由を聞いた。ヒナタは施設にいて両親はいない。施設にいる事は先生とリョウスケにしか教えていない。このままではみんなにバレてしまう。

義憤を感じたリョウスケは担任の先生に1/2成人式を止めるよう要求した。ヒナタの思いに気づかなかった先生は反省する。しかし先生には1/2成人式の中止する権限はなく、クラス全員の意見を聞いた上で、校長先生にかけ合ってくれることになった。


10歳になると「1/2成人式」として祝う?風習がいつから始まったのかは知りません。映画の中では2018年の『かぞくいろ』の中でも登場し、やはり10歳の少年が反発するシーンもありました。1ヶ月(初参り)、3歳、5歳、7歳(七五三)、10歳(1/2成人式)、12歳頃(十三詣り)と、子供も大変です。

学校で両親について作文や手紙を書かせるというのは映画やドラマでよく見ます。でも施設にいて両親のいない子、なかには両親の顔や名前すら知らない子だって。今の小学校ではそんな子に配慮してこんな作文を出さないのかもしれません。

主人公のヒナタは自分が施設にいる事を知られたくない。知られたら、やっぱり差別されたりイジメられたりするのでしょうか。友だちになってもその親は「あんな子とは付き合っちゃダメ」なんて言うのかもしれません。自分たちと違うモノを認めないのは、古今東西どこでもありそうです。

でも大親友のリョウスケには言っています。でもこれもリスク大。ちょっと喧嘩でもしたらリョウスケだって「こいつは親なし子で施設にいるんだ」なんて言いふらすかもしれません。あーあーそんな事を考えるだけで、人間の愚かさを感じてしまいそう。

映画の話から離れてしまいました。先生を演じていたのは何と山内秀一さん。子役として大活躍されていました。NHKの「虹色定期便」や朝ドラ「ちゅらさん」、映画では準主役の『さくや妖怪伝』など。その少年がなんと先生に。面影は残っています。ちょっとお調子者だった雰囲気も。

主役二人を演じた土岐田育君、平野翔大君もそつなく演じていて好感が持てました。クラスメート達は、いかにも劇団で活躍していそうなルックスのいい子ばかり。


1/2成人式で読む両親への手紙を書くリョウスケ。
ふとみると、親友ヒナタの様子がおかしい。
ヒナタは1行も書けない。そりゃ両親いないもの。
先生は知ってるはず。ちゃんとフォローしなさいよ。


ヒナタはリョウスケに言った。
施設の子って、知られたくないんだ。
リョウスケはヒナタを連れて先生の所へ。
1/2成人式の中止をお願いしよう!



先生は応接室?で二人の話を聞いた。事情は判った。学級会でみんなの意見を聞こう。
(左の先生役は、元人気子役だった山内秀一さん。面影残っています。)


学級会で討論の末、結論が出た。先生は校長先生に掛け合うことに。
ヒナタに向かってポーズを取る先生。思わず微笑むヒナタ。(左の男子児童もイケメン)



※後記
NHKのEテレでは小学校3、4年対象の道徳番組として『もやモ屋』『時々迷々』『u&i』など。全部は見たことはありませんが、男女とも結構有名な子役さんも出演しているようです。同じエピソートを数年にわたって再放送していますので、また機会があれば見てみます。そこに出てくる小学生たちのルックスと品のいいこと!

でも現実。家の近くに小学校の通学路があり、歩く小学生男子はかなりの高率でメタボ?体型。中にはジャイアン顔負けの陰険な目つきで、道行く大人にまでガンを飛ばしているクソガキも一人や二人ではありません。本作やEテレ番組に出てくる小学校のクラスと現実とのギャップは大きいように感じます。(地域によって違うでしょうし、そもそも外観で判断するのはいけませんけれど)





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