HINOKIO (2005年)

少年映画評価 3点
作品総合評価 4点
少年の出番 60%(主役?いや脇役でした)
コメント 本郷奏多君は10点満点
映画情報など 2005年公開/DVD発売済


正直に言うと、この作品が本サイトを立ち上げようと考えたキッカケの一つでした。「いい作品を紹介しよう」というポジティブな動機ではなく、「腹立たしい気持ちを共感してくれる人が一人でもいないか」というネガティブな動機の方が強かったのです。

当時、なぜか本郷奏多君に肩入れしており、彼の一世一代の主演作と思って見たら、コケにされていた(と、勝手に思い込んだ)作品で、どうしようもない憤慨を覚えたのでした。今から思えば、なぜそんな事くらいで・・人間が未熟だったんだな、と反省しております。

■ストーリー

ある小学校にロボットがやってきた。引きこもりの少年(本郷奏多君)が、バーチャル環境で学校に復帰するための治療の一つ。彼の父(中村雅俊さん)がロボット研究者だった。クラスの少女が、ロボットに関心を抱く。実はロボットではなく操作する少年に関心を抱き、ロボットを通して交流を始める。

■多部未華子さんが独占

この映画のプロットは、ボーイッシュな多部さん(私には決して少年には見えないけど)、メガネっ娘(小林さん)、美少女(堀北さん)の、3人の女子同性愛です。このままでは、三流ロリコン同人誌の世界なので、監督のもう一つの趣味であるCGで適当にロボットを絡ませていますが、底の浅い話になっています。(ちょっと言い過ぎたかも)

秋山監督は、多部未華子さんにゾッコンで、彼女にヒロイン役だけでなく少年役までもやらせ、役者として美味しい所を、全て彼女一人に与えます。本郷奏多君という逸材がいながら、全くナイガシロにされている所が本当に悔しい。

初めから、多部未華子主演の映画で、本郷君は少しだけ出ている、と宣伝してくれていれば、そんなものかと、軽くスルーできたのですが。公開の半年程前、日経エンタテイメントか何かで、今年注目の少年俳優として本郷君の紹介があり「HINOKIOという感動的な映画で主演デビュー、同じ事務所の柳楽優弥と肩を並べる」などと書かれた記事をみて、半年間待ち続けただけに、思いっきり落胆でした。

■どうでもいい役

多部さんは1000人を超えるオーディションで決定。映画の前に製作したパイロット版では、別な少女が出演していました(彼女も「NHK天てれ」出演の人気少女で、ボーイッシュな子でしたが)。どういう事情があるのか判りませんが、監督が気に入らなかったのか、この役には強いコダワリがあるようです。

一方、パイロット版に出演した本郷君は、秋山監督の「この役は彼しかいない」との一言で決定。一見、本郷君が素晴らしいように思えたのですが、実はこれを裏読みすれば、本郷君の役はどうでもいい役なので、労力をかけなかっただけの話ではないでしょうか。

■一将功成りて万骨枯る

そんなせいもあるのでしょうか、HINOKIOは興業的には大コケしましたが、多部さんだけは高評価を集め、なんとこの年のブルーリボン新人賞まで獲ってしまいます。監督としてはある意味思い通りかもしれませんが、こんな言葉を思い出しました。

「一将功成りて万骨枯る」
多部さん1人の成功の影に、他キャスト、スタッフ、損したスポンサー、みんな枯れてしまった感じです。
※言い訳がましいのですが、決して多部さんを責めているのではありません。彼女の成功は彼女自身の努力の賜物だと思います。これからも女優として頑張って下さい。(実際に今では日本の若手女優を代表する役者 さんになられました。)

■もし作り直すなら・・

どうしても作り直して欲しい作品です。多部さんの役を少年にして、きちんと筋を整理してほしい。この秋山監督は本業のCGだけは素晴らしいので、CG担当者に格下げ。

しかしどうしても主役は本郷奏多君しか考えられません。タイムマシンでもなければ無理か。あ〜あ、秋山監督の罪は本当に大きいなあ。本郷君からすれば「お金も着物もいらない!十二の私に戻してちょうだい!」(こんな小唄があったような)

本郷君の悲しそうな顔が、本作品を物語るようで。




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