花田少年史 幽霊と秘密のトンネル (2006年)

少年映画評価 5点
作品総合評価 5点
少年の出番 90%(前半は主役、後半はいるだけ)
コメント 須賀健太君の体当りの熱演
映画情報など 2006年公開/DVD発売済


この映画に文句ある、というと不思議な顔をされるかもしれません。須賀健太君が縦横無尽に活躍する、まさしく須賀君のための少年映画なんですが。

■ストーリー

須賀君演じる花田少年は、母親とバトルを繰り返すある日、自転車で坂を飛ばすうちにトラックと衝突する。そして天国に逝く途中、ある女子高生(安藤さんが演じるが年齢的に?)に助けられる。

生き返った須賀君は幽霊が見えるようになり、ドタバタ活劇を繰り広げる。これは楽しい。しかし女子高生の秘密を知る事になり、その決着をつけるべく、悪霊との決戦に向う。(後半は3流CGを駆使した特撮モノ。)

■主役への愛が感じられない)

まず、この監督さん(水田伸生氏)からは、主役への愛が感じられません。日本映画では、伝統的に子役(特に男の子)ジャリと呼んで、バカにする悪弊があるそうですが、この人もそんな感じなのです。

俺様が、なんで、こんなジャリ映画を撮らないといけないんだ。そうだ、俺様は監督なんだから、好きな女の子をもっと入れて活躍させよう。以上はあくまで私の邪推です。(水田監督ごめんなさい)

■安藤希さん

という訳で、映画後半の主役は完全に安藤希さんです。本来主役の花田少年は、単にそこにいるだけで、何の役割もありません。まずあの年齢でセーラー服を着た女子高生役に無理がある上に、演技は「さくや妖怪伝」の頃の未熟なままなんです。(ああ、この辺で止めないと辛口が止まりません)延々と続く悪霊とのバトルシーンも、何の感動も引き起こしません。

■もし作り直すならば

幽霊が見えるようになった花田少年が、運動会で友人(お父さんを亡くした子)に、新しいお父さんへ、背中を後押しするシーンまでは、ほぼ合格点です。

あくまで、安藤さん演じる女子高生(幽霊)を成仏させるストーリーにこだわるのであれば、花田少年が、いろいろ秘術やお笑いネタを駆使して、悪霊を倒すストーリーにすべきです。

■なぜか須賀健太君はメインになれない。

今や、TVドラマやCM、映画と超売れっ子の子役ですが、なぜかメインにはなれません。もちろん年齢的な要因が大きいのでしょうが。たとえば映画「椿山課長の七日間」でも、志田未来さんと2大子役の出演といわれながら、完全に志田未来さんの引立て役でしかありませんでした。

結局、少年俳優でメイン扱いされるのは、近年では神木隆之介君くらいしかいなかったのでしょうか。欧米映画では少年俳優は、もっと重視されていると思いますが。





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