死にぞこないの青 (2008年)

少年映画評価 5点
作品総合評価 3点
少年の出番 100%(主役ですが)
コメント なんのための原作改変
映画情報など 2008年公開/DVD発売済(写真は映画チラシより)


2008年11月29日、ホクテンザ1(大阪・天六)にて鑑賞。

東京公開から遅れること3ヶ月、やっと大阪で公開開始。大阪では、シネマート心斎橋とホクテンザ1という2館で上映ですが、前者は心斎橋のアメリカ村の若者街(東京でいえば代官山?みたいな感じ)なので敬遠し、天神橋筋6丁目のオヤジ街にあるホクテンザで鑑賞しました(これが間違いでした)

朝1番の11:00の回を観ようと、雑居ビルの狭いエレベータで5Fへ登ったのが10:30、もう開場していましたが、誰もおらず1番乗り。この映画館が出来た当時のキャッチフレーズは「新幹線のグリーン車なみのシートでゆっくり映画鑑賞を」だったのですが、今となっては古びて汚いシート。でもこういう映画館が落ち着くのです。

■ストーリー

小学生のマサオ(須賀健太君)は、学校でイジメを受けている。それも同級生だけでなく担任教師(城田優さん)からも目の敵にされていた。そんなマサオの前に黒づくめの不気味な少女が現れた。マサオの死んだ姉だという。そして教師を殺すようにそそのかす。

■少女俳優を使うために原作を改悪

全体的には丁寧に作られていました。須賀君の演技は子役レベルから一線を画した安定感があり、もう堂々とした主演です。難を言えば、声が問題です。童顔とはミスマッチのガラガラ声。ハスキーボイス(しわがれ声とも言います)は違和感も感じます。変声期なら問題ないのですが、地声だとすればちょっと心配です。

しかし、この作品の大失態は、やはり原作の改悪だと思います。原作では、いじめられる少年の前に、自身の分身が「青」という少年幽霊になって現れます。それをこの映画では、死んだ姉という事にして美少女幽霊に変えてしまい、またもや谷村美月さんが演じています。

自身の分身を姉の霊に変えたのなら、そのように脚本も変えないといけません。ところが姉の霊は「お前は俺だ、オマエはオレだ」と叫びます。これは原作のまま(手抜き)。おまけに谷村美月さん、本来はもっと上手い女優さんだと思いますが、単調な棒読みセリフ、迫力も情感もない大根役者にしか見えないのです。彼女にとっても、この役は得るところが全くないように思います。

ちょっと辛口になってしまいしたが、この作品は須賀健太君という少年主演の正真正銘の少年映画でした。谷村さんの配役を除けば、それなりに佳作だっただけに、残念でなりません。幽霊の青は須賀君の2役でいくか、別の少年俳優を使うべきでした。

■おまけ(お粗末な映画館)

さて以下は蛇足です。ホクテンザは失敗でした。映画のちょうど真ん中くらい、須賀君がプールに落ちるシーンがあるのですが、この辺から光が被ったり、画面がゆれ始め、とうとう真っ暗になり、いきなり映写中止。幕が下り照明が着きます。(ちょうどトイレに行きたかったので、渡りに船とばかりにトイレへ)

数分後に上映再開されましたが、フィルムが巻き戻されて、不具合箇所の前から再上映とばかり思っていたところが、逆にフィルムが進められ、数分以上飛んでしまい、訳が判らなくなっているのです。上映初日のせいなのか、東京から3ヶ月旅しているうちにフィルムが痛んでいたのか、いずれにせよ、お粗末です。

おまけにパンフレットも売っていません。パンフは元々発行していないと勝手に決めて帰りましたが、翌日、念のため、もう1館のシネマート心斎橋に行き、パンフがあるか聞いてみると、ありました。早速購入して帰ったのでした。(このパンフ、なんと1枚の紙を折り曲げたペラペラ。これで500円はボッタクリじゃ。これを販売していないホクテンザは、本当は良心的なのかも)

<追記>

決して個人批判や女性蔑視ではないのですが、谷口美月さんはまさしく、少年俳優キラーです。この第4部に登録した映画の4本に彼女が絡んでいます。

少年が主人公の映画には、なぜか必ず彼女も出演しており、そして主役少年を喰ってしまうのです。それだけ彼女に魅力があるということかもしれません。でも結果として、女の子好きファンがその映画に殺到して、興業的に成功したかといえば、それは疑問です。

客寄せのために、原作改悪して女の子にする、なんて手はそうそううまく行きませんよ。成功したのは、三丁目の夕日の六ちゃんくらいか。このままでは谷口美月さん批判に終ってしまいますので、場違いですが、フォローを一つ。

それは2010年の映画「海炭市叙景」での谷口さんの演技。兄を想う妹の切なさを見事に演じきり、本当に素晴らしい女優さんだと感動しました。この映画で彼女の事を見直し、同じ関西人として応援していこうと思っています。

なお、映写事故のあったホクテンザ。やはり潰れました。休館となっていますが、復活することは多分ないでしょう。残念ですけれど。





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