告白 (2010年)

少年映画評価 5点
作品総合評価 4点
少年の出番 80%(キーマンですが)
コメント 主役の女性教師に共感できない
映画情報など 2010年公開/DVD発売中
(写真は少年A役の西井幸人君)


2010年9月11日、先週の阪急高槻市に続き、今週は阪急淡路駅で下車、同じような商店街の真ん中にある映画館・淡路東宝へ行って来ました。入口は裏ぶれた感じですが、さすがは東宝!古いなりにも設備は立派です。非常に見やすいスクリーンで、こんな場所にあるのがもったない気もします。

かつて東映、東宝の映画館は、ちょっとした町ならどこでもありました。どんどん無くなってしまい寂しい限りです。関東にいた頃は、浅草東宝なんかもよく行きました。昭和そのものという感じで好きでした。

さて映画ですが、かなり評判になり、米アカデミー賞日本代表に選出されたとの事です。ただ、中学校を舞台にしたバイオレンス系の映画のような気がして、どうしても見る気になれなかったものです。(ホラー映画は好きなんですが、リアルの暴力系はどうしても苦手。)

■ストーリー

いきなり、女性教師(松たか子さん)の告白から始まる。女性教師の愛する娘が学校内のプールで殺害された。その犯人は、男子生徒A、Bであると。ただ14歳未満の少年に刑事罰を処す事ができないため、女性教師の壮大で陰湿な復讐の幕が開く。

■同情しにくい、感情移入しにくい、主人公の女性教師

思ったより暴力シーンは少なく、その意味では少しほっとしましたが、後味の悪さは最悪です。もちろん個人的な感想ですが、これが日本代表になるのは、ちょっと残念な気がします。

犯人役を演じた2人は本当に熱演だったと思います。ただ、生徒役を演じた男子女子とも、美形が多すぎて、誰が誰やら区別がつきません。みんなジャニーズJrみたい感じで。<唯一、井之脇海君の短髪で古風な顔はインパクトがありましたけど、役柄的には何の意味もない端役。これはもったいない。

清水尚弥君はどこに?

少年Aの母親は学者で電子工学の権威。その影響で屈折した少年の心理がこの映画のキーですが、どうも違和感が拭えません。実は私も工学部出身ですが、そもそも電子工学は実学。しかも今や斜陽分野。トップ企業は別として、大学教授にそんな権威って?

学者の母親も、女性教師も常に上から目線で、男性、少年という存在そのものを見下しているような、不快感が残ります。これは原作者の意図なのでしょうか。(ちょっとヒネクレた考えで、すみません)

少し話題を変えて、実はいくつかのブログで、少年B役は清水尚弥君とのレビューを見ました。(ガセでした) それで少し期待したのですが、残念ながら、どこに出ていたのか見つける事さえできませんでした。テレビでしか見た事はありませんが、彼の少女的な雰囲気が好きでした。

どんなに荒唐無稽なバイオレンスでも、最後は、人間として希望が持てる、少しでも明かりが見える。映画はそうでなければいけないと私は思います。この映画も、女性教師として、最後は少年Aを更正させる方向へ行くのかと、少しはホッとしたのも束の間、松たか子さんの「な〜んちゃって」とのセリフでブチ壊し。勿論、それを狙ったのでしょうけれど。

同じ中学生を扱った映画「青い鳥」。本当に良作でしたが全くヒットしない。一方こんな映画が受ける、特に若い層に受ける。これが現実なら仕方ありません。





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