死んだ目をした少年 (2015年)

作品総合評価 5点
少年の出番 100%(年齢はかなりオーバー)
寸評 清水尚弥さん、虐められ生徒役はもうこれで終りにして
【少年映画でない理由】年齢オーバー
映画情報など 2015年公開。DVD発売済み。写真は清水尚弥さん。


何とも言えないこのタイトル「死んだ目をした少年」。清水尚弥さんの主演作ですが、youtubeにUPされた予告編を見て、またイジメというか暴力映画なのかと嘆息。見るか迷いましたが、とうとう劇場公開時には鑑賞しませんでした。しかし意外に早くDVDが発売され、なんとなく買ってしまいました。

虐められコンビの数宮と文治
■ストーリー

北関東のある町に住む中学生の文治(清水尚弥さん)が主人公。学校は荒れていて、男3人の不良グループ、また別の女子ボスから文治は虐めを受ける毎日。同じく虐めを受けている数宮(福井成明さん)と、負け組コンビで仲良くなるが、二人への虐めは続く。

ある日、二人が学校から帰る途中、ひょんなことから女性(高樹マリアさん)にボクシングを教わることになった。とは言っても、彼女は風俗で働くだけでボクシングなんて素人だったが、人生に疲れて何か掃け口が欲しかっただけ。それでも二人は喜んで毎日、公園で彼女に訓練してもらった。

ボクシングを習うようになっても虐めは続いたが、次第に二人の中に自信のようなものが芽生え出す。やがて不良グループとの対決の時が来るが、さて二人は勝てるのでしょうか、暗黒の中学生活から脱出できるのでしょうか。

■清水尚弥さんの集大成とも言える作品

集大成なんて書きましたが、あまりいい意味ではありません。子役時代は明るくて可愛い役をTVドラマで貰っていましたが、中学生になって「おとこのこ」「からっぽ」「独裁者、古賀。」、そして本作品と、暗いトンネルのような作品が続きました。確かに堂々の主役ではありましたけれど。

これら4作品は、原作も監督さんも異なるのにも関わらず、清水尚弥さんの役柄は全く同じ。気が弱く、存在感もなく、ひ弱な中高生。そして激しい虐めや暴力を受けています。そして各作品とも、そこから抜け出そうと努力するのですが、結局、ひ弱な少年には無理だった。こんなパターンです。

もうそろそろ、こんな役柄は卒業して、若いハツラツとした青年役に脱皮して欲しいものです。少年俳優の頃から応援してきましたので、これからも応援しますけれど、いい役を勝ち取って欲しいなあ。

■予告編よりはすっきりしていました。でも中学生とは。

さて本作品ですが、予告編では、どこからどう見てもチンピラにしか見えない金髪の不良など、壮絶な暴力映画にしか見えなかったのですが、意外に暴力シーンは控えめ。「独裁者、古賀。」のような後味の悪さもありません。

その理由一つが主役の文治の妄想シーン。ノートに描いた「死神」が実在化して、不良グループや、ボスの女子生徒を叩きのめします。もう血だらけのスプラッター・バイオレンス。同じ暴力でも、悪人どもが叩きのめされるのは爽快であり、ガス抜きになりますね。

ただ、高校が舞台だとばかり思っていたのですが、なんと中学生との設定とは。どうひっくり返ってみても、男子生徒も女子生徒も中学生には見えません。(高校生でも無理ですよ、厚かましいなあ)

死んだ目。素のままと言われたとか(悲しい)
毎度同じようにイジメられる役です

■君は死んでいる

DVD特典映像のメイキングで、清水尚弥さんのエピソード。監督さんから「君は死んでいる」と言われたので、死んだ目について、特に役作りせずに、普段通り演じました、だって。寂しいほど自虐的ですね。

実際に清水尚弥さん、かなり痛々しいのです。ノートに死神の絵を書くシーンですが、清水さんの手が、若者の手ではないのです。皮膚に張りがなく、やつれた感じです。どうしたんでしょう。

手だけでなく、顔もアップになると、悲しいくらいにやつれているのです。もう少年とは言えません。前作の頃は、ここまで老けて(ごめんなさい)いなかったのに。もう少し栄養をとって、コラーゲン?も取って、若さを取り戻して下さいね。 (下の写真は、若く少年らしく見えるシーンをセレクトしています)

ボクシングを習う。ちょっとカッコいい。
メイキングにて。なぜか涙、涙

最後の写真。メイキング映像のクランクアップでの清水さんの挨拶。終始涙、涙でした。本作品に主演として仕事を貰った事を感謝していました。(弟さんに大役が来てスポットが当り、少し焦っていたのでしょうか。下世話な話ですみません。弟さんは弟さん、あなたはあなたですよ)






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