管制塔 (2011年)

作品総合評価 5点
少年の出番 5%(主人公の弟、主人公含めれば100%)
寸評 北海道稚内の冬景色とはかない青春
【少年映画でない理由】年齢オーバー&出番少
映画情報など 2011年製作。DVD発売中。
(写真は、亜蓮君)


今やジャニーズを押しのけるほどの人気を誇るイケメン山崎賢人さんの映画主演デビュー作。中学3年生男女の淡いラブストーリーですが、山崎さんは当時16,17歳だと思いますので、少し年齢オーバーです。ただ弟役に同じ事務所の亜蓮君が出演しており、いいアクセントになっていました。

北海道在住のノースエンド先生から、稚内でロケされた本作品のことを聞くまで全く知りませんでした。今回DVDで鑑賞しましたが、67分と短めの作品ですのであっと言う間に終り。北の地に憧れがある関西人の私には、映画の内容よりも北の大地の風景が印象に残りました。

山崎賢人君と亜蓮君の兄弟役。いい雰囲気ですなあ・・
■ストーリー

北海道稚内に住む中学3年生の駈(山崎賢人)は学校に馴染めず、いつも一人でいる。そこへ瑞穂(橋下愛)が転校してきた。彼女もまた世の中を斜に見ているようなとっつきの悪い少女。同級生の女子たちが「前の学校は」とか聞いても返事一つしない。(嫌な女・・)

しかしなぜか(同質性を感じるのか)駈にだけは目をつけ、まるで人が変わったように積極的に話しかけてまとわりつく。駈も最初は敬遠していたが、やがて瑞穂といるのが心地よくなってくる。瑞穂は自分が「ムーミン」のミィで、駈はスヌスムムリク(スナフキン)だと言った。

駈の家にやってきて押入れでギターを見つけた瑞穂は二人だけでバンドをやろうと提案。町の酒場(雀荘?)のマスターに気に入られてそこで歌うようになり、自分たちで作った曲をテープにいれて応募しようとするが。瑞穂の家庭の事情でまた彼女は去っていく。しかし駈はその曲を完成させ・・

■思い入れの差(子役出身かどうかで・・)

本作品は山崎賢人さんのプロモーションビデオといっていい作品です。今やTVドラマやCMで見ない日は無い(見ない時間帯は無い)といっていいほどのイケメン俳優。彼のデビュー頃の少年っぽい姿は確かに美少年です。でも申し訳ありませんが、私にとって少年俳優とは思えないのです。

10歳くらいから俳優活動をしてきた子役さんなら、15,6歳になっても「成長したけれどまだ可愛い」なんて視点で見てしまうので、どうしても思い入れが強くなります。たとえオッサンぽくなっていても、それはそれで感慨深く思えるのです。

でも15歳でスカウトされた山崎さんの場合、少年期を知りませんので、どうしても今のイケメンの若い頃という程度の認識。ですので映画の内容がよほど印象深くなければサラーっと見飛ばして終り。相手役の橋本愛さんはこの世代では超人気女優さんですけれど、いつも負のオーラ?を感じて私はどうも苦手です。

見渡す限り風車の並ぶ北の大地
左下に豆粒のように佇むのが主人公の少年
北の海が見える丘で。橋本愛さんと山崎賢人君

■北の風景と亜蓮君の笑顔

一番印象的だったのが、風車が延々と並ぶ北の海に面した丘の風景。寒々とした土地ですが、何か過去のしがらみや嫌なもの全てをドッドド、ドドウドと吹き飛ばしてくれそうな爽快感すら感じます。実際に住まわれている方はそんな生易しいものではないでしょうけれど。

そして思春期に悩む兄に対して、純真で可愛い言葉と笑顔をかけてくれる弟の亜蓮君の存在。出番は合計しても数分に満たないかもしれませんが、映画の中のオアシスのように思いました。撮影当時はまだ10歳くらい。この後、私の心に残る名作「あかぼし」の主役に抜擢されます。

満たされない青春の欲求不満に対して音楽は有効な処方箋。本作品でもバンドにのめり込むのですが、ちょっと中途半端な感じに終わったのが残念です。主題歌の「管制塔」は最初は山崎さんの声かと思ったのですが、北海道出身の3人組バンドGalileo Galileiの演奏でした。(残念ながら2016年に活動終了)

少年少女の青春ものとして、山崎賢人さん、橋本愛さんのファンの方には見て貰って絶対損はない作品だと思いますので、未見の方は是非レンタルでも。

バスに乗る時も誰とも話もしない。いつも一人
山崎賢人君。やっぱりイケメンですなあ・・
(でも亜蓮君にもっと活躍して欲しい)







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