ハラがコレなんで (2011年)

作品総合評価
少年の出番 10数%程度
寸評 ドタバタ喜劇。少年少女時代を演じた子役が印象的。
【少年映画でない理由】出番過少。
映画情報など 2011年公開。DVD発売中。
写真は鈴木励和君。


タイトルを見ただけでドタバタ喜劇なんだろうと思って、何の関心もありませんでした。2022年になってWOWOWで放送されたのを流し見したところ、子役の2人(大野百花さん、鈴木励和君)が妙にインパクトがあって、この2人だけでもレビューしたい、そんな気分になりました。

訳あって両親がおらず、叔父に引き取られた少年リョウイチ。

両親と小学生のミツコ(大野百花)はある長屋へ越して来た。大家のおばさんは破天荒な性格だが人情に厚い。同じ長屋の同級生ヨウイチ(鈴木励和)は両親がおらず叔父と2人暮し。だが数ヶ月でミツコはまた引越し。その時、ヨウイチはミツコに「大人になったら結婚してくれ」とプロポーズ。何言ってんの?ミツコは無視。

15年後。ミツコ(仲里依紗)は妊娠したが、男に捨てられ一文無し。行く宛がないので長屋へ転がり込んだ。大家は高齢で寝たきり。ヨウイチ(中村蒼)は相変わらず叔父と2人暮し。ミツコは大家の代わりとばかり張り切ってあれこれ世話をやく。そして何を血迷ったか関係者全員で福島へ引っ越す事に。福島へ到着。そのまま野原で出産...


破天荒の元をたどれば長屋の大家のおばさん。覇気のない長屋の住人を怒鳴り倒す。その一方でお金が苦しい住人には家賃を負ける。この性格を最初に引き継いだのは少年ヨウイチ。自分引き取ってくれた叔父はレストラン(といってもタダの定食屋)を営むが全く流行っていない。

ヨウイチはいきなり店の前で客引きを始めた。ただ全く客引きにならず、誰が見ても引いてしまうような感じですけれど。でも大家のおばさんはそんなヨウイチを暖かい目で見ていました。演じた鈴木励和君。彼の表情がすごく印象に残ります。はっきり言って大人役の中村蒼さんよりも魅力的。

一方、少女時代のミツコは殆どセリフがありません。しかし喋らなくても大野百花さんののインパクトが凄い。この子は並の子じゃないと感じさせられます。大野さんと鈴木君。この2人のシーンをもっと見たかった。

とはいえ仲里依紗さん演じる大人になったミツコが本作のメイン。おおきな臨月のお腹をかかえてドタバタのオンパレード。お腹の子は大丈夫だろうかと心配になってきました。映画とは判っていても。

さて少年俳優はもう一人登場します。ヨウイチの叔父が密かに恋していた喫茶店のママ(斉藤慶子さん)の一人息子タカシ。中学生くらいでしょうか。店をたたもうと悩む母親をしっかり支える息子。なぜか演じた俳優さんの名前が判りません。エンドロールの位置から齋藤水生君ではと思っていますが、間違っていたらすみません。

叔父の経営する定食屋。客の入りは悪い。
リョウイチはいきなり客引きダンスを始める...
引っ越してきたミツコを見つめるリョウイチ。
どこか孤独なミツコの影に惹かれたのだろうか。


ミツコが引っ越して行く。トラックの横で、
リョウイチはミツコに告白。結婚してくれ。
何言ってんの。トラックは動き始める。
ここ。少年少女版別れの名シーンですよ。


喫茶店を経営するママの一人息子。
喫茶店の経営は厳しい。店をたたむらしい...
故郷の福島に帰る事になった息子と母。
母役は斉藤慶子さん。まだまだ美人健在。



※後記
本作主演の仲里依紗さん。初めて見たのは2006年の映画『アイランドタイムス』でした。人気女優になるだろうなと思っていました。でもあの頃とは大きく印象が違って。まだほんの少女でしたし。





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