The Wooden Gun  (1979年)

製作年・国 1979・イスラエル
少年映画評価
お薦めポイント 建国直後のイスラエルの混乱と少年たち
映画情報など 国内未公開。海外版DVD絶版。
写真はアリック・ローゼン君。


建国まもない50年代のイスラエル。ヨーロッパ各地からユダヤ人移民が押し寄せる一方、パレスチナ人との戦争も頻発。そんな世相を反映するように少年たちの遊びは戦争ごっこ。10歳の少年ヨニ(アリック・ローゼン)は対立するグループに待ち伏せされて暴行を受け腕を折った。

ヨニは復讐を決意。しかし両親からもう戦争ごっこは止めろときつく言われた。相手のボスはナイフを持って威嚇してくる。ヨニは仲間が持ってきた木製銃(強力ゴムがついたスリンクガン)を使う事にした。そしてボスの額を射つ。殺してしまったと思ったヨニは家出。海岸にいた女性のあばら屋に匿って貰う。仲間がやってきた。ボスは死んでいない。ヨニは安心と喜びを隠せなかった。


仏映画の名作『わんぱく戦争』(1962)のように少年たちが戦争ごっこ。しかし仏映画のようなのどかさは感じられません。主人公のヨニ達はヨーロッパからの移民組。相手はこの地にいたバリバリのユダヤ人たち。彼らは移民組が面白くありません。

相手グループのボス。ユダヤ教の祭典ではアヌンナキ(調べて下さいね)のようなつけ髭をつけて重要な役目。でもヨニの腕をへし折ったり、ナイフで脅したり本当にクソガキ。ユダヤ教の教えってしょせんその程度のものでしょうか。スミマセン

一方アリック・ローゼン君演じるヨニは美少年。でも両親の心にあるホロコーストなどの苦悩は理解できていませんでした。木製銃を撃つ瞬間、相手のボスと目が合います。助けて...そんな目。でもヨニは怒りにまかせて発射。そして逃げ込んだ見知らぬ女性の家。そこには家族とホロコーストの写真が。

幼い少年が両手を上げている写真。この子はナチスに撃たれたの?その子の目。ヨニが撃ったボスの目と同じだった。僕は何という事をしてしまったんだろう。ボスが生きている事を聞いたヨニは、何もいわず丘を登ります。すっくと立った少年はイスラエルの未来。
(何度も書きますが現在のイスラエルは、この少年の思いとは別方向に進んでしまったとしか思えません。)

夜の帰り道。ヨニは待伏せにあった。
相手は卑怯にも5人。
腕を折られて倒れるヨニ。
通行人がいなければもっと酷い事に
サッカーで骨折した事に。
(肩の白い紐でギブスを吊るす)


骨折も治りかけてきた。
(美少年に入浴シーンは東西同じ)
相手を撃った後。ある女性の部屋
ホロコーストの写真を見て驚く
ラストシーン。丘の上に立つ少年
その目はイスラエルの未来を...



※後記
主人公のヨニですが、本当の名前はヨナタン。ヨナタンってどこかで聞いた事がある。ドイツ映画『飛ぶ教室』の主人公でした。もう少し調べるとヨナタンは旧約聖書に登場するダビデの友人の名。そうでしたか。それと2021年に退いたイスラエルの超右派首相の名前も...

本作とは全く関係ありませんが、2020年の日本映画『許された子どもたち』という作品があります。ここでも中学生のクソガキが手製ボーガンで同級生を射殺します。ボーガンを発射する寸前の犯人少年と被害少年の間(ま)が本作とよく似ています。いずれにせよ目を覆いたくなる作品。





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