ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ(2010年)

製作年・国 2010・イギリス/アメリカ/フランス
少年映画評価 B(お気楽作品ですけれど)
お薦めポイント メリーポピンズとはまた違う乳母の魔法
映画情報など 2011年、国内公開。DVD発売中。BDは海外版のみ。
(写真はエイサ・バターフィールド君)


前回は戦中戦後の英国少年の悲惨な生活を描いた『ビル・ダグラス三部作』を紹介しました。本当に暗い作品。そこで今回は同じ時代の英国少年ですが、打って変わってお気楽な作品です。

一面の麦畑。一人で麦の穂を見る少年。エイサ・バターフィールド君が絵になる。

大戦中の英国の田舎町で暮すノーマン(エイサ・バターフィールド)ら3人兄妹。父は出征し、母が牧場を営んでいるが経営は厳しい。そこへロンドンから親戚の兄妹が疎開してきた。金持ちで鼻持ちならない2人にノーマン達は反発し、大喧嘩が始まった。そこへ乳母のナニー・マクフィーがやって来た。陸軍から派遣されたと言って。

彼女が杖で床を叩くと子供たちは喧嘩を止めてベッドへ。魔法だった。子供たちは反発するが彼女はお構い無し。翌日からもビシビシと。そこへ父戦死の電報が。信じられないノーマンは従兄弟のシリルとロンドンへ。シリルの父は将軍。電報はニセである事が判り2人は喜んで帰る。父も帰ってきた。気が付くと5人の子供たちは協力しあっていた。それを見たナニー・マクフィーは去っていった。


英国の教育や子育ての中で、乳母(Nanny)の存在は特別なものなんでしょう。Nannyはメイドのような雇われ人ではなく、責任を持って子供を躾けるプライドがあるのかもしれません。Nannyが登場する映画といえば『メリー・ポピンズ』。また『ベッドかざりとほうき』は魔法使いですが、これもNannyものと言ってもいいかもしれません。

ナニー・マクフィーを演じたエマ・トンプソンさんは脚本も担当しており、本作には相当入れ込んでいたようです。彼女はメリー・ポピンズのジュリー・アンドリュースさんとは違った魅力があります。最初に登場したマクフィーは出っ歯でホクロだらけの醜い顔。子供たちが課題をクリアするとホクロが取れていき、最後は出っ歯もなくなります。

子ども達の中では何と言ってもエイサ・バターフィールド君の存在感がずば抜けていました。大活躍した子役さんだけにそういう目で見てしまうからかもしれませんけれど。ただ本作の中の序列はそんなに上でなく、クソ生意気な従兄弟シリルを演じたエロス・ヴラホス君の方が上かもしれません。

さて本作タイトルの空飛ぶ子ブタとは。経営危機の牧場を救うため、長男ノーマンが出荷しようとした子ブタ5匹が逃げてしまい、それを子ども達全員で追いかける。しかしナニー・マクフィーは簡単に捕まえられないように子ブタに魔法をかけた。子ブタは空を飛び、川でシンクロナイズドスイミングしたり。まあここは子ども向け。

ナニー・マクフィーが子ども達に与えた課題。@喧嘩しない、A分け合う、B助け合う、C勇敢、D信じ続ける、の5つ。これが達成できるまで私は「帰れ」と言われても帰りません。これが達成できたら「残って」と言われても帰ります。


戦争とは無縁の田舎で暮す兄妹たち。
でも父が出征。家計は苦しかった。
ロンドンから疎開してきた従兄弟シリルと従姉妹セリア。
二人の父は陸軍の将軍。鼻持ちならない二人。


次男のビンセント。空気の読めない糞ガキですが、
とにかく可愛い。演じたのはオスカー・スティア君。
ナニー・マクフィー。ラストで去っていくところ。
最初やってきた時は、あまりに醜いお顔(特殊メイク)


逃げ出した子ブタは空を飛んだ。木に登って捕まえようとするノーマン。

父が戦死?嘘だ! ノーマンは陸軍省へ。サイドカーを運転するのはナニー・マクフィー(カッコいいです)。

陸軍省の建物を見上げるノーマンとシリル。いつの間にか二人は親友になっていた。
(それにしてもエイサ・バターフィールド君の緑の瞳。不思議な魅力があります)


※後記
殆ど同じようなシチュエーションの作品に『ジム・ヘンソンの不思議の国の物語』(2004年)があります。大人気子役のフレディ・ハイモア君がまだ幼いのに主演。ただ彼が演じた次男がワガママで協調性ゼロ。顔は可愛いのですがイライラさせられっぱなし。やはり本作のエイサ・バターフィールド君くらいの年齢でないと...という事で選外作品行きとなりました。




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