ヘンリー4世 (2013年)

上演年・場所 2013年・彩の国さいたま芸術劇場
舞台評価
お薦めポイント シェイクスピアの有名な舞台、少年小姓も登場
関連情報など DVD発売中。WOWOWで放送。
(写真は小姓役の亜蓮君)


シェークスピアの名作戯曲。これまでに映画化(オーソン・ウエルズ監督・主演)もされていますが、今回紹介するのは、名演出家・蜷川幸雄氏による舞台。本年(2013年)に、埼玉や大阪で上演されました。(蜷川氏は惜しくも2016年に逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。)

大阪公演は全く知らず、また知っていても、シェークスピアの舞台なんて、ちょっと敷居が高くて行けそうにありません。ところが今年の夏、映画『あかぼし』を見て、主演の亜蓮君の演技に感心し、彼の経歴を見たところ、この舞台に出演していることを知りました。そうなのか。見に行けばよかった。

残念に思っていたところ、衛星放送WOWOWで舞台を丸ごと放送する事を知り、これはとばかりに録画。しかしここでまた失敗。4時間40分もあるので、録画HDDの容量をケチって、ハイビジョンではなく標準画質で録画。せっかくの機会だったのに、画質が今ひとつなのが残念です。(舞台を収録したDVDが2013年12月18日に発売)

フォルスタッフと小姓(1841)
 舞台について

4時間半以上もある長い舞台ですので、ストーリーは省略。とは言っても、それでは不親切ですので、主な出演者だけでも紹介。英国の国王ヘンリー4世(木場勝己さん)と、後に5世となるハル王子(松坂桃李さん)、そして中年の騎士フォルスタッフ(吉田鋼太郎さん)

題名とは異なり、主役はこのフォルスタッフと言っていいでしょう。日本で言えば素浪人みたいな奴でしょうか。でも観客の大半は、ハル王子を演じた松坂桃李さんのファンだと思います。

超肥満体のフォルスタッフに、ハル王子から小姓が付けられました。わざと肥満体を目立たせるために、小さな少年をそばに付けられたとのこと。この小姓を演じたのが亜蓮君(ダブルキャストで、もう一人いるようです)

舞台は大きく2部に分かれていて、1部には亜蓮君は登場しないようです。とにかく長時間の舞台ですので、全部見るのは辛く、1部はところどころ早送りしましたので、見逃しているかもしれません。

まるで本当の西洋絵画。左端が小姓役の亜蓮君。美少年です
 2部の幕が開く前

まだ幕が開く前、いきなり客席に俳優が登場。フォルスタッフは、戸惑う観客を押しのけて客席に座ったりと、ある意味大サービス。そして亜蓮君もその後についてきます。名優・吉田鋼太郎さんの、太ったお腹を触る女性観客が後を絶ちません。でも亜蓮君に視線を向ける観客はいないようなのが、少し気の毒でした。

客席から登場したフォルスタッフと小姓
(亜蓮君もやや緊張気味でした)
緊張も解けて、セリフもしっかり

 2部

フォルスタッフの小姓ということで、そこそこ出番はありますが、セリフは少なく、録画では、アップになることも少ないのが残念です。でも大人の俳優に混ざって一人だけ少年俳優がいるのは、絵的にはアクセントになっていいものだと思います。

フォルスタッフにお酒を注ぐ。その仕草が可愛い
(画質が悪くてすみません)
酔っ払いに絡まれる小姓
フォルスタッフがそっと庇ってくれる

 おまけ。楽屋にて

亜蓮君のブログから引用させていただきました。今は亡き、厳しい蜷川幸雄さんの舞台に立てたことは、俳優として素晴らしい経験になった事と思います。あまりチャラチャラ?しないで、本格的な役者さんになって欲しいものです。

      左)楽屋の鏡に映る姿。女の子っぽいですなあ
右)故・蜷川幸雄氏と。手のつなぎ方がねえ〜




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