黒執事 NOAH'S ARK CIRCUS (2016年)

上演年・場所 2016年・TOKYO DOME CITY HALL他
舞台評価 A-
お薦めポイント 最年少の内川蓮生君、男の娘?設楽銀河君
関連情報など BD/DVD発売中。
(写真は内川蓮生君)


2014年2015年に引き続き3度目のレビュー。今回はシエル役が福崎那由他君から内川蓮生君に交代。演目も2年続いた「地に燃えるリコリス」から「NOAH'S ARK CIRCUS」に変更。

もちろん原作漫画やアニメは全く知りませんが、主役は悪魔である執事セバスチャンと、彼に魂を売った貴族少年シエルですから、どんな話でも少年俳優の出番は多い訳で。でも実際の舞台をおじさん一人で鑑賞する事はなかなか出来ませんので、こうして高画質ブルーレイを販売してくれるのは嬉しい。

すでに2017年版のブルーレイの発売も近づいてきましたので、少し慌ててレビューを書きました。シエル役の内川蓮生君はもちろんの事、少年のような少女(TomBoyっていうのでしょうか)ドール役をなんと少年俳優の設楽銀河君が演じており、彼が素晴らしいのです。

本来は松井月杜君という歌の上手い少年が演じる予定だったところ急な声変りで降板。そのピンチヒッターで出演。月杜君はさぞ残念だったでしょうが、銀河君は本当にしっかり演技。なかなか色っぽくて...

サーカス団へ潜入を図るシエル。後ろはセバスチャン。(なかなか凛々しい表情です)

謀略によりファントムハイヴ伯爵家が皆殺しになる寸前、少年シエル(内川蓮生)は悪魔セバスチャン(古川雄大)に魂を売る契約をして生き残り、セバスチャンを執事として伯爵家を継ぐ。

伯爵家は女王陛下の秘密警察を担っていた。ノアの箱舟というサーカス団が興行する地域で子供達の行方不明事件が多発。シエルとセバスチャンは女王陛下の命で真相を探るため、サーカスの新入団員となってもぐり込む。

サーカス団員は全て孤児院出身。団の秘密を守るためには誘拐や殺人も厭わない。やがて黒幕がわかった。ケルヴィン男爵(小手伸也)。彼はファントムハイヴ伯爵家の少年シエルに邪悪な欲望を持っていたのだ。

 本作は少年シエルの本領発揮...(悪魔よりも冷徹な)

前作(地に燃えるリコリス)でもシエルは活躍しますが、残念ながら主役感は感じられず。しかし本作は完全にシエルの視点で進行。内川蓮生君は12歳の小学6年生。歴代シエル役の最年少だそうですが、セリフの迫力は名探偵コナンも顔負け。ツンデレ少年好きにはたまりません。(デレは少しだけですが)

演出もシエルいじりっぽい部分や、お色気部分まで。今回は前作のマダムレッドのような明確なヒロインがいないせいもあり、みんなから可愛い可愛いと言われるお得な役どころ。一例は、葬儀屋で面白い芸をしたら情報提供すると言われ葬儀屋と二人だけで小部屋の中へ。シエるんるん!(イヤだあ..何したの...)

一方で少年とは思えぬ非情な面も見せてくれました。変態(少年愛)ケルヴィン男爵を拳銃で撃ったり、誘拐され洗脳手術をされた子供達をまだ生きているのにセバスチャンに命じて火をつけます。こんな風になってしまった子供は生きていても辛いだけだ...いやいや、ダークな少年だ...

設楽銀河君。太ももが色っぽい
 男の子みたいな女の子を男の子が...

日本では少年役を少女や大人の女性が演じる事は日常茶飯事。でもその逆は聞いた事ありません(歌舞伎とかを除き)。あっ!お婆ちゃん役を男が演じるのはありますね。ばってん荒川さん(知らんでしょう)とか。

ドールは初めから少年俳優を採用する予定だったのでしょう。対象がいわゆる腐女子(失礼な言葉!)という層のため。メイキングDVDで前半は銀河君の姿が見えず。やはり練習時間に無理があったのかもしれません。本来なら前作のマダムレッドに匹敵するヒロイン?だったとしたら少し残念。

でも可愛い。ロリータ衣装の女の子姿よりも、男の格好をした女の子としてシエルと絡むところが。千穐楽カーテンコール。挨拶で小さなカンペを広げて笑いを取りますが、そこから沈黙。泣いてカンペが読めない...周りの出演者が指でココを読めと...いやいや可愛かった。

しかしそんな銀河君演じる可愛いドールも、シエルとセバスチャンに殺されてしまうのです。シエルの方が悪魔かも。ちなみにシエルの内川蓮生君。千穐楽では順番も来ないうちからずっと泣いて泣いて。でも本番は泣きながらも堂々と挨拶しています。「シエルとしていられた時間」この言葉が結構ジーンときました。

もう終わってしまった2017年版は「Tango on the Campania」。内川君は続投ですが、少女役がさすがに少年ではなく正真正銘のアイドル系少女が出演。銀河君も続投してくれたら良かったのに。

セバスチャンに靴を履かせてもらうシエル
(まだ脚は細すぎて...子供ですなあ...)
サーカス新入団生として潜入。まずは柔軟体操から
(このシーンはお色気サービスなのか...)


サーカスの先輩ドールと部屋は同室。格好は男の子...
「よろしくお願いします」スマイルと名乗ったシエル


最後の場面。シエルの正体を知ったドール
(あんなに仲のよかった二人だったのに)
ドール「俺を捕まえにきたのか」 シエル「違う」
「消しにきたんだ...」なんと非情なヤツ


千穐楽。カーテンコールでの銀河君の挨拶
(涙でカンペが読めない。両隣の俳優さんが指差して)
小さな涙声でなんとか挨拶。あとは...
(隣の俳優さんに抱かれる様子は本当の女の子)


メイキングより内川蓮生君。
(現場でもみんなのアイドル)
メイキングより設楽銀河君(歯並びが...でも可愛い)
(この頃はスリム。最近のtwitter画像では少しぽっちゃり)
(残念ながら今は芸能活動は一時休止しているとか)






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