寛太と、じいちゃんの世直しチャンネル (2023年)

作品評価 爺ちゃんパワー炸裂。孫の少年との絡みもいい。
少年の出番 爺ちゃんと少年が主役です。
お薦めポイント 爺ちゃんだって youtuber。
映画情報など 2023年公開。DVD発売中。
写真は番家一路君。


2022年の映画『サバカン』で日本アカデミー賞新人賞を受賞した番家一路君の待望の新作。しかも主役級。劇場では見れませんでしたが、2024年4月にDVDが発売されてようやく鑑賞できました。64分の中編。次はメジャー作品に出演して欲しいところ。

ようやく祖父と寛太の心が通じ合った。(最初はすれ違いばかり)

小学生の寛太(番家一路)が年下の少女(中村怜愛)を連れて、祖父(外波山文明)の家へやって来た。なんと駆け落ちしてきたと言って。少女は両親が迎えに来て帰ったが、寛太はしばらく祖父の家にいる事になった。一方祖父は「世直しチャンネル」というyoutubeを配信していたが、視聴者は殆どいない。

翌日から寛太はyoutube撮影の手伝いをさせられたり、野菜泥棒に巻き込まれてクリボン(黒田航平)ら地元少年3人組と友達になったり。やがて祖父の秘密も知った。祖父は寛太を両親の家に連れて帰る。実は両親は離婚する事になっており、それが寛太が家出した理由だった。祖父は両親に改心を迫るが、寛太の下した決断は...


日本アカデミー新人賞を貰ったのにすぐ消えてしまっては賞の権威もガタ落ち(そこまで権威のある賞かどうか判りませんけれど)。それは知りませんが、番家一路君も主演作品を貰えました。上映機会も少ないミニシアター系作品ですけれど、嬉しい事には違いありません。

冒頭。駆け落ちしてきた少女に圧倒されます。この少女がずっと一緒だと番家君は全て持って行かれると思っていたのですが、すぐに家に帰ってしまいました。少女俳優が好きな方には申し訳ありませんけれど、これでホッとした次第です。このままだと映画鑑賞を止めようかとさえ思っていました。

祖父役の外波山文明さんがいい。世の中で自分が一番偉いと思っている老害ジジィ(私も...)ばかりの日本ですが、こんな高齢者ならいてもいいんじゃないかと思います。やってる事は独りよがりの老害と同じなのですが、まず可愛げがあります。孫の少年の意見も素直に聞くところもいいです。

祖父の秘密。それはまだ現役の頃、原野商法?に騙されて山奥の荒地を買わされてしまったこと。その土地に孫の寛太を連れていきます。そこで思いっきりカメラに向かって吠える。これで祖父の夢が一つ実現したとスッキリした顔で。その夢とは孫にここに見せること(息子ではなく孫に見せたかった)

番家一路君。小学6年生の役ですが実際は中学生。声変り末期なのかハスキーボイス。顔つきは少し精悍になって。演技的にはまだ受けの部分が多いのですが。映画の寛太は最後に自分で決断を下します。両親が離婚。普通なら泣き落とし?で離婚解消がパターンですが、両親に引導を渡しました。二人ともだいっ嫌いだぁあ。寛太は祖父と暮す事に。ネタバレで申し訳ございません。


夜遅く。少女と孫の寛太が祖父の家にやって来た。駆け落ちして来たんです。
(とにかく少女役の中村怜愛さんの個性が強烈。このままでは彼女が主役かと思ったら...)


祖父がyoutube撮影で男に殴られて寝込んでしまった。
(寛太は、祖父がしつこく注意するからだと責めるが...)


ちょっと買物に行くと出かけた寛太。コンビニなんかあるはずもない。
(サバカンの頃に比べると身長も肩幅も大きくなった。やっぱり中学生)


野菜泥棒をしていた地元の少年3人組と友人になった。
(廃トンネルの中。ちょっと映画『雑魚どもよ、大志を抱け!』の雰囲気)


祖父が騙されて買った山奥の荒地。寛太に見せたかった。
寛太は祖父の気持ちが判った。これで二人はやっと祖父と孫の関係に。


寛太は祖父に連れられて両親の家へ。車は祖父が常連のスナックのママが運転してくれた。
そのママの一人息子が友人になったクリボン。なんと着いてきた。家に向かう寛太に「頑張れよ」



※後記
映画の中で祖父が、歩きスマホの女性に注意して恋人?の男に殴られます。一部始終をカメラで撮影していた寛太。これは暴行容疑で警察に訴えないと。撮影した映像は証拠になりますし。でもそんな事はしません。ちょっと棘が刺さったままの感が残りました。

寛太が友人になった地元の3人組。あだ名はクリボン、タダッチ、バンちゃん。黒田航平君たち3人は、番家一路君と同じ事務所(ウォーターブルー)に所属する子役さんとの事。もう少しエピソードがあっても良かったのですが、64分の尺ですから仕方ありません。





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