（まだ公開中ですのでストーリーは「公式サイト」より引用。
作家の理子は、突如警察から、兄の急死を知らされる。兄が住んでいた東北へと向かいながら、理子は兄との苦い思い出を振り返っていた。警察署で７年ぶりに兄の元嫁・加奈子と娘の満里奈、一時的に児童相談所に保護されている良一と再会、兄を荼毘に付す。 そして、兄たちが住んでいたゴミ屋敷と化しているアパートを片付けていた３人が目にしたのは、壁に貼られた家族写真の数々。子供時代の兄と理子が写ったもの、兄・加奈子・満里奈・良一が作った家族のもの・・・ 兄の後始末をしながら悪口を言いつづける理子に、同じように迷惑をかけられたはずの加奈子はぽつりと言う。「もしかしたら、理子ちゃんには、あの人の知らないところがあるのかな」 兄の知らなかった事実に触れ、怒り、笑って、少し泣いた、もう一度、家族を想いなおす、4人のてんてこまいな4日間が始まったー。
兄を持ち運べるサイズに （2025年）
| お薦めポイント | ラスト。家族一人一人に死んだ兄が出現するシーンは感動しますよ。 |
| 少年の出番 | 出番は多くありませんが、準主役の一人です。 |
| 映画情報など | 2025年公開。ディスク等の販売は未定。 写真は味元耀大君。 |
同じ年(2025年)の映画『ふつうの子ども』でイケメン少年役の味元耀大君が重要な役で出演とのことで楽しみにしていました。映画館で鑑賞。今年は結構映画館に行きました。本作は柴咲コウさん、満島ひかりさん、オダギリジョーさんが主役ですが、味元君はじめ少年俳優も大勢出演しており、ギリギリですが少年映画と言える作品です。
本作主人公の理子(柴咲コウ)。左は理子の兄の長男(味元耀大)。家族から嘘つきで自分勝手なサイテー男、クズ男と言われていた兄。柴咲コウさん演じる妹の視点で映画は進みます。でも元嫁は少し違いました。兄のことを心の底では今でも愛している。それが妹には気に入らない。あんなクソ兄をなぜ庇うのか。
観客(いや私だけかも)としては兄と2人で暮らしていた息子はどう思っていたのかが知りたいのですが、全く触れられません。最後の最後になって息子も父(兄)の事が大好きだったと思わせる言葉が出てきます。そしてあれだけ兄を憎んでいた妹も、忘れていた子ども時代の記憶が蘇り、兄はクズだけど、まんざらでもない人間だったと思うわけです。
4日間で人間の評価がコロっと変わる。内容は違いますが米映画『十二人の怒れる男』(1957年版)を思い出しました。記憶というものは、その人に合わせてフィルタリングされるものです。不都合な記憶は忘れてしまうのです。うちの妹も「兄ちゃんばかりチヤホヤされて女の子は損」と言っていましたが、自分が女の子としてどれだけ可愛がられていたか、どれだけ贔屓されていたか、その事実には目も向けません。
さて良一を演じた味元耀大君。『ふつうの子ども』の頃よりもかなり成長して中学生役かと思ったら小4の設定。映画では全く声を出さず父を失った事による失語症かと思っていたのですが、映画終盤はきちんと声を出します。父さんが死んだのは僕のせい...それだけ父を思っていたのでしょう。
オダギリジョーさん演じる兄の少年時代を演じた子役さんも本当にいい味を出していましたが、氏名が判りません。もしかしたら味元耀大君が二役？とも思ったのですが、顔立ちは違うようですし。990円のパンフレットでエンドロールの位置から推測すると大野遥斗君が該当します。
元てれび戦士のハルト。彼は映画の冒頭と最後で、少し成長して中学生になった良一役だと思ったのですが。ちょっとよく判りません。また後日鑑賞した時に確認します。他にも柴咲コウさん演じる妹には中1の双子の息子がいます。高橋なおき君と神尾優典君が演じており、ラグビー少年で本当に性格のいい息子さんたちでした。
映画は127分と内容の割に長尺。どのシーンも不要なカットはないのですがテンポが悪い。特に柴咲コウさんの部分は長々と感じました。次に自宅で鑑賞する時は10秒スキップを使いまくるかも。最後にオダギリジョーさん。この人が一番印象に残りました。存在感が違います。
良一と母(満島ひかり)。離婚しにより、良一は父が、姉は母が引き取った。数年振りに会った母子。良一は母と暮すことに同意した。
父の死。良一はショックを受けて失語症のような状態だったが、遂に思いを話した。父は持病の薬が必要だが、よく忘れる。良一がそれをチェック。しかしその日、良一は友人と遊んで帰りが遅れた。
僕がちゃんと帰っていたら...父は死なずにすんだかもしれない。それが心に...
オダギリジョー演じる兄の少年時代。この頃から空気の読めないワガママ少年だった。レストランでメニュー選びに時間がかかり、結局一人でオムライスを食べる。
（演じた子役さんの名前が判りません。本当に大野遥斗君？）
両親の帰宅が遅いので、妹の理子(高木悠叶)が泣きそうに。兄は妹を自転車に乗せて両親を見に行く。両親は食堂を経営。店の前で両親をみた理子は元気を取り戻す。本当は優しい兄だったのだ。
（40年前の設定ですので昭和半ズボン。もうちょっと短いはずですが文句は言えません）
（2004年の名画『誰も知らない』の兄妹のことが思い出されて...）
※後記
映画には全く関係のない下世話な感想。オダギリジョーさん演じる兄は生活保護を受けていた設定です。しかしホンダの大きなワゴン車を乗り回し、ノートパソコン（しかも国産ではMacよりも高いレッツノート）を使っています。大阪ではかつてはエアコンを持っていても贅沢品だといって認定されない？なんて話も聞きました。もちろん車もパソコンも再就職には必需品でしょうし、また中古品だったのかもしれませんけれど。