少年(石田法嗣君)は母と妹の3人でカルト教団で出家生活をしていたが、教団が検挙されて崩壊。母は行方不明、少年と妹は児童保護施設へ。しかし叔父がやってきて妹だけを引き取った。少年は、妹を取り戻すため施設を脱走する。その途中で少女(谷口美月さん)と出会い、なぜか彼女も一緒に行く事になった。
少年映画評価 | 4点 |
作品総合評価 | 6点 |
少年の出番 | 85%(一応主役ですが、何か弱い) |
コメント | 石田法嗣君の演技は満点 |
映画情報など | 2005年公開/DVD発売済 |
少年(石田法嗣君)は母と妹の3人でカルト教団で出家生活をしていたが、教団が検挙されて崩壊。母は行方不明、少年と妹は児童保護施設へ。しかし叔父がやってきて妹だけを引き取った。少年は、妹を取り戻すため施設を脱走する。その途中で少女(谷口美月さん)と出会い、なぜか彼女も一緒に行く事になった。
映画を観る時、やはり誰に感情移入するか(できるか)が重要なファクターだと思うのです。この映画は、ストーリー的には石田君が主役なのですが、谷口美月さんの存在が主役を食ってしまっているのです。
それなら初めから谷口美月さん中心でストーリーを組立てたらいいのに、何か消化不良に陥ってしまい、見終わった後には腹立たしさが残りました。(単に私の人間の器が小さいだけかもしれませんが)
■HINOKIOと同じ構図中途半端になった原因は、やはり監督の嗜好なんでしょう。女の子好きなら、女の子好きでいいので、女の子主役の映画をどんどん撮ればいいのに、石田君をアテ馬の主役にしておいて、谷口美月さんにいい所を全部持って行かせるのは、酷い話だと思います。
勿論、これは少年映画としての批評であって、世間の人や女の子好きの人は、この映画を高く評価している事は知っています。
■もし作り直すなら
まず、谷口美月さんの役は不要です!当然レズの二人も。
・カルト教団に洗脳されていく石田君、母親との関係、残された妹
・西島秀俊さん演じる教団指導者と石田君の確執
・教団解散後に目覚めて転向した西島秀俊さんと石田君の出会い
このあたりに徹底的にフォーカスして描き、そして最後の石田君が彼なりの結論を見つけて新たな生活を始めていく。うまくすればカンヌやヴェネチアにも出品できたかもしません。
■石田君と柳楽君是枝監督の「誰も知らない」とほぼ同時期の作品で、石田君と柳楽君は年齢もほぼ同じで、撮影も同じ山崎裕であることから、2人は似た雰囲気があるかもしれません。
でも、ずばり演技力は石田君が柳楽君を圧倒していると思います(100倍くらい上かも)。でも石田君が負けるのは2点あります。一つは色気です。この時の柳楽君の持つ色気はただものではありません。正直いってカンヌは、彼の色気だけで賞を貰ったようなものです。もう一つは、監督の差です。これは本人のせいではありませんけれど。
(追記 2017年)
余談ですが、本作品に出演されていた西島秀俊さん。今やTVドラマにCMに大活躍。この映画出演当時、ここまでメジャーな俳優さんになられるとは想像できませんでした。