作品総合評価 |
2点(酷評ですみません) |
少年の出番 |
20%(主役の少年時代。邦画はこればっかり...) |
寸評 |
おネコ様映画。ネコ役の声優さんの声が生理的にダメ 【少年映画でない理由】出番過少 |
映画情報など |
2018年製作。BD/DVD発売中 (写真は田口翔大君。) |
映画「天空の蜂」などで活躍した田口翔大君の出演は判っていましたが、劇場で見るほどのモチベーションはなく、DVDレンタル開始を待って鑑賞。結果的にレンタルで十分でした(あくまで私にとって)。
原作は有川浩さん。浩なんて名前から男性と思っていたら女性作家。若い子向けのライトノベルが主体との事で、これまで読む機会はありませんでした。映画監督など製作者側の脚本能力低下が著しい邦画界では、有川さんのようなライトノベル系の作家が重宝されるのでしょう。
田口翔大君は熱演でしたけれど、本作は主役のイケメン福士蒼汰さんのいわゆるキラキラ映画です。おネコ様とイケメンの死でお涙ちょうだい。もちろん映画はエンタメですから何でもOK。でもこんな作品ばかり作っていたら邦画はますます凋落...
両親が事故死。唯一の家族は猫のハチだけ。呆然としてベッドに座る少年
■ストーリー
悟(福士蒼汰)は心優しい青年。ある日、交通事故でケガをした猫を病院に運んで看病。ナナと名付けて一緒に暮らし始めた。そんな悟だが、ある理由でナナを手放す事になり、誠実に飼ってくれる友人を頼って車で旅に出た。
最初に向かったのは小学校同級生の幸介。悟が小学生(田口翔大)の時、幸介(二宮慶多)が捨て猫を拾ったが親は許さない。結局は悟が引き取ってハチと名付けて家族同様に楽しい時間を過ごす。しかし悲劇が起こった。悟の両親が交通事故で死亡。悟はたらい回し挙句、叔母に引き取られる事になった。
成人した幸介の事情を察した悟はナナを託す事を断念する。次は中学の同級生は、先方からドタキャン。そして次は高校同級生の男女。2人はペット同伴OKの民宿を営んでいたが、やはりナナを託す事は出来ない。悟はそのままナナを連れて両親の墓参り。そして叔母の家へ戻った。ナナと最後まで暮すために...
■よく考えると悲惨な運命の主人公(ネタバレ...)
キラキラ映画と言いましたが、よく考えてみると主人公の悟の人生は涙なしでは語れない悲惨なもの。まるでヨブ(旧約聖書)や、ジャン・バルジャン(レ・ミゼラブル)みたい(偉そうに書きましたが本当は...)
判事(凄いなあ)である叔母が語った事実。小学生の悟にとって青天霹靂だったに違いありません。
1. 両親が交通事故で死んだ。(大好きだった父と母..)
2. その両親は実の親ではなかった。(まさか。あんなに自分を愛してくれたのに..)
3. 実の両親は悟に暴力をふるいネグレクトするクズ人間だった。(.....)
4. 悟を引き取ってくれる親戚は誰もいない。(独身の叔母を除き)
理解ある叔母に引き取られ、2人だけの生活はそれなり充実していたはずですが...
5. 家族同様だったハチは、遠い高松の親戚へ預けられた。
6. 高校の夏休み。楽しみにしていたハチとの再会の直前、ハチが事故で死亡。
7. 爽やかなイケメンに育った悟。これから人生の花と思っていた矢先に不治の病いに...
このあたり、もっとしっとりした脚本で、福士蒼汰さんが深みのある演技をしていたら、別の映画になったかもしれません。女の子向けのキラキラ映画ではあまりにもったいない。
■ナナが雌猫なら...
本作1番の違和感はナナの声。アニメ系のショタボっていうのでしょうか。イライラさせられ通しでした。
もちろん個人意見です。レビューを見ると声がマッチしていたと好感を持たれた方も大勢。
女声でも構いませんが、もう少し理知的な発声にならないものでしょうか。別のモモという猫が登場しましたが、こちらは違和感ありません。本作は舞台やラジオドラマにもなっているようですが、名前から見る限りナナ役は男性。本作も素直に男声にすればいいのに。
ただ、猫と青年の愛情物語ですから、ネコがオッサン声だとおっさんずラブになってしまうので、中性的な声にしたのかも。もしナナが雌猫なら、この声で何の問題もなかったと思うのは私だけでしょうか。
幸介と悟は捨てネコを見つけて喜ぶ
先に見つけたのは幸介。でも親が飼うのを許さない...
幸介は家出事件を起こすが、結局飼うのは無理
(幸介役の二宮慶多君も好演でした)
京都への修学旅行。母へのお土産を探す悟
(悟は先生から呼び出され...お土産は買えなかった)
修学旅行中に悟の両親は交通事故死。
(悟は悲し過ぎて涙も出ない...)
小学生なのに喪主。幸介が近づいてきた
(ちょっと長いけれど昭和風半ズボンがよろしいなあ...)
代りに買った悟の母へのお土産を渡す
(幸介君、キミの服装は失格ですよ...)
母に渡すはずだったお土産を見たとたん、悟は号泣
(それまで涙も出なかったのに...)
叔母から両親の秘密を聞かされる悟
(気のせいか、かなり大人びた表情に...)
※おまけ(判る人だけ読んでください)
右は、大人の悟がナナを連れて両親の墓参りに行った時、空にきれいな虹が出てきたシーンです。(虹は多分CGでしょうけれど)
ネコときて、虹の橋とくれば、
私が当然思い出すのは、さくらしめじの♪またたび。
もしも ほんのすこ〜し おしゃべりが できたなら〜
とっておきの そのばしょへ〜 つれてって くれる かなあ
たった5分ほどの♪またたびの詩の世界ですが、ひょっとしたら2時間の本作よりも深いかもしれない。そんな名曲でした。
最近は全く歌ってくれませんけれど。