ダムド・ファイル あのトンネル (2003年)
作品総合評価 |
5点 |
少年の出番 |
60%(前半は実質主役) |
寸評 |
出てくる霊は少年だけ。これは珍しい... 【少年映画でない理由】子供を失った親の話 |
映画情報など |
2003.10.17放送。カンヌ監督週間に出品。DVDあり。 写真は準主役の岡田祥世君。 |
名古屋テレビ製作ホラー(各30分で全30作)の特別編「ダムド・ファイル スペシャル another episode あのトンネル」が90分枠で放送されました。本来はTVドラマなのですが、2004年カンヌ国際映画祭の監督週間に出品。それなりに評価を得たとの事で、映画として扱います。
2019年話題のホラー映画「犬鳴村」よりずっとチープな作品ですが、私はこちらの方が怖い。映画「ペットセメタリー」、小説「猿の手」が思い出されて。
叔父の葬儀。右の3人は叔父の葬儀に合せて弟を納骨する家族。
右端はアキラ。弟が大事にしていた自動車の玩具を握りしめている。
■ストーリー
5年生のアキラ(岡田祥世)は2年前に弟シゲルを亡くした。父(野村宏伸)は忘れようとし、母(南野陽子)は忘れられず遺骨を側に置いたまま。ある日、父は病床の叔父から伊勢神トンネルの話を聞いた。30年前に亡くなった叔父の息子がトンネルにいたんだ。連れて帰ってくれと...
アキラは悪ガキから「猫の骨に血をかけると生き返る」と聞いて自分の血をかけ、蘇った猫を見た。そして決心した。弟の骨壺に血を。一方、病床の叔父が死亡。葬儀の帰りに両親とアキラは伊勢神トンネルへ入ってしまった。弟の霊がついてくる。後日、父と母はそれぞれ別の日に、別の目的を持ってトンネルを訪れる事になる。
■少年の心に巣食う悩みと葛藤
弟はアキラと公園にいた時にブランコの破損事故で死んだ。両親はアキラを責めない。しかし母はあきらかに精神に異常をきたし弟の遺品を取り出しては涙ぐんでいる。父との仲も険悪だ。そんな重苦しい空気に自分が責められているように感じるのは当然のなりゆきだった。
父が納骨しようと言っても母が拒否。その遺骨に血をかけたら弟が戻ってくるのだろうか。2段ベットの上で寝るアキラ。下から音がする。弟の影が見えた。しかしそれは生前の弟ではない...黄泉の国に行ってバケモノになった姿だろうか。
母はトンネルへ行った。弟に会うためだ。連れて帰れないなら母も向こうの世界へ行こうと自殺を図る。でも失敗した。それを聞いて父もトンネルへ。弟はすでに弟ではない。この世に戻って来ないようにハンマーを隠し持って...
アキラを演じた岡田祥世君。ややセリフが棒読みの部分もありましたが、心に葛藤を抱えた少年の役をしっかり演じました。ホラー作品でここまで少年俳優が主役級なのはあまりありません。名古屋テレビに大拍手です。
弟が死んだ。下のベッドには誰もいない
(戻って欲しいし、それは怖いし...)
猫の骨が入っている缶に自分の血を注ぐアキラ
(そんな怖い事、痛い事、よくできますなぁ...)
猫は蘇った。それでは...弟の遺骨にも血を
(いつまでも納骨せず置いておくからこんな事に)
その夜、アキラのベッドに不気味な影が現れた!
一瞬の光に照らされた姿は、可愛い弟ではなかった...
翌朝、弟の骨壺を確かめるアキラ。血まみれ?
なぜかあれ程反対していた母は納骨に同意した。
これまでの事、全てを父に話したアキラ。
父は決意した。トンネルに行って弟の霊を消すんだ...
※後記
全国的には今ひとつメジャーになれない名古屋。しかし私は好きな地です。衛星放送のエンタメ〜テレはずっと契約して視聴。番組はパチンコ、パチスロ、麻雀、ホラーに特化。名古屋らしくていいんだぎゃぁ...