禁じられた遊び (2023年)
作品総合評価 |
Jホラー巨匠の中田秀夫監督作品ですが、ややマンネリ |
少年の出番 |
悪霊を呼び出す息子。かなり重要な役。 |
寸評 |
続編とシリーズ化狙いでしょうか。 【少年映画でない理由】出番少ない。 |
映画情報など |
2023年公開。BD/DVD発売予定。 写真は正垣湊都(しょうがき みなと)君 |
仏映画の名作と同じタイトル。原作小説がAmazon Prime Readingで無料でしたので、先に読みました(既に続編も無料で読了)。その後に映画版がAmazon Primeで配信され鑑賞しました。昔人間な私。配信は見るのが疲れるのですが、1回みればもういいので、これで十分です。
父からトカゲの尻尾の話を聞くハルト。これがモンスター誕生のきっかけとは...
小学生のハルト(正垣湊都)と母は交通事故に遭い、ハルトは生き残ったが母は亡くなった。ハルトは母の遺体から指をそっと持ち出し、庭に埋めて呪文を唱え始めた。生き返って欲しいからだ。父(重岡大毅)の元同僚の比呂子(橋本環奈)が訪ねてきた時、その様子を見て不吉な思いにとらわれる。
父と比呂子は不倫ではないが惹かれ合っており、母はそれを知っていた。やがて比呂子の周りで怪現象が頻発。庭に埋めた身体の一部から再生して蘇りつつある。ハルトは喜ぶが、それは元の母ではなく、強大な力を持つ怪物だった。父と比呂子は必死で蘇りを阻止するが遅かった。しかしその時雷鳴が轟く。
ハルトが遺体を埋めたのは、父がトカゲの尻尾を埋めたらトカゲが蘇ると、嘘を言ったのが始まり。ハルトは純粋な気持ちで母の再生を祈る。しかし呪文はエロイム、エッサイム。これって水木しげるさんの「悪魔くん」じゃないですが。吉田義夫さんか潮健児が演じるメフィストが出現したら笑えるのですが。
それは置いといて。本家の仏映画『禁じられた遊び』では少年と少女が死んだ虫や小動物を埋める「お墓ごっこ」をします。時は戦争の最中。生を願う遊びは涙を誘いますが、大人は許してくれません。そのシーンを元にこのタイトルをしたのでしょうか。
死んだ人間を蘇らせる。ジェイコブズの短編小説「猿の手」、映画では「ペット・セメタリー」など。ただいずれも蘇ってくるのはモンスター。本作で蘇るのは美雪(ハルトの母)。元々彼女は超能力者で生霊を使うなど怪物の要素がありました。それがパワーアップして貞子や伽耶子と同じレベル。
小説ではカケラ女。身体の一部が残っていれば再生します。爪や髪の毛、DNAレベルでもいいのかもしれません。これはシリーズ化を目論んでいるのでしょう。将来は「美幸 VS 貞子 VS 伽耶子」なんて作品ができるかも。まるで妖怪大戦争ですね。
ハルトを演じた正垣湊都君。どこかで見たような気がしたと思ったら、某シャッターのCMに出ている子役さんでした。犬と一緒でしたが、犬よりも可愛いので印象に残っていました。youtubeにありましたので、リンクを貼っておきます。→(正垣湊都君が出演したCM)
主演は重岡大毅さん(旧J事務所)、橋本環奈さん。超人気のタレントさんですが、私にはあまり印象に残りませんでした。続編が作られるとすればまた続投でしょうけれど。ハルト役はなさそうです。小説版では別の女の子になっているようです。呪怨のトシオ少年のようなキャラでは無さそうなのが残念。
ハルトと母は交通事故に遭った。
ハルトは助かったが、母は亡くなった。
棺の中から持ち出した母の指を土に埋めた。
エロイム、エッサイム...
母の指を埋めた土がモゾモゾと動き出した。父は恐怖に襲われるが、ハルトは期待に胸を膨らませる。
父が母の再生を喜んでいない事に気づくハルト。父は敵なんだ...
いよいよ母が土から出て来る。その瞬間、雷が母とハルトを包み、二人は焼け死んだ...(ネタバレお詫び)
※後記
映画のタイトルですが、過去の超名作へのオマージュならいいのですが、安易なものも多々。最近の邦画でタイトルを見ただけでもういいわと思ってしまうもの。やはり仏映画の名作『 大人は判ってくれない』をもじったもの。『◯◯は◯◯してくれない』、『◯◯は◯◯してあげない』など。大抵の場合、最初の◯◯には少女が入ります。このタイトルを見ただけで、「本作は3流映画ですよ」と看板を掲げているみたいに見えて。すみません。素晴らしい作品もあるかもしれませんけれど。