花まんま (2025年)
| 少年の出番 |
主人公の少年時代。原作小説ではメインの部分だけに出番は多くあります。 |
| 寸評 |
前世の記憶を持つ妹。妹を守らなければいけない兄の健気さ。演じた子役が一番。 |
| 映画情報など |
2025年公開。BD/DVD発売中。写真は田村塁希君。 |
原作は朱川湊人さんの短編小説。私は朱川湊人さんの小説にのめり込み、文庫本を買いまくって読んだ頃がありました。中でも少年少女が主人公で、ちょっとホラーかファンタジーな部分があるものが好きで、本作「花まんま」はその代表作の一つ。しかし映画化にあたっては大人が主人公になってしまったのは少し残念。それでも子役たちも頑張っていました。
映画冒頭。大人になった兄トシキが見た夢。霧の中を幼い妹と二人で歩いていく...
東大阪市に住む小学生のトシキ(田村塁希)は父を亡くし、母と妹(小野美音)の3人暮し。この妹が変な事を言い出した。自分の本当の名前は繁田喜代美。でも暴漢に刺されて死んだの。信じられないトシキだったが、妹がどうしても自分の住んでいた滋賀県の彦根市へ行きたい。一生のお願い。
仕方なくトシキは幼い妹を連れて彦根市へ。妹は父だった老人をみた。やつれ果てて生きる気力を失っていた父に、子どもの頃、おママごとで作っていた花まんまの弁当を持っていく。父はすぐに気づいた。そして妹を見て喜代美!と涙を流す。しかしトシキはこの子は僕の妹や。死んだお父ちゃんと、必死に育ててくれているお母ちゃんの子や!(以下は映画を見て下さい)
映画や原作のことはWikipediaに詳しく丁寧に書かれていますので、そちらをご参照下さい。もともとは短編ですから、それを約2時間もの長編映画にするためにオリジナルな部分もかなり追加されています。主演の兄役の鈴木亮平さん、妹役の有村架純さんも大熱演でした。お二人とも関西生まれなので言葉に違和感は全くありません。
でもやっぱりメインは子ども時代の兄と妹が、前世の父や家族に会いにいくシーン。ここが本当に泣かせます。兄の子ども時代役の田村塁希君。この子が本当に素晴らしい。しかし映画のサイトを見ると、撮影ではかなり苦労したエピソードがありました。
妹役の小野美音さんはNHK朝ドラなど演技歴も多くて達者なのに対し、田村塁希君はほぼ素人。色々足を引っ張って涙を流すこともあったとか。でもその苦労は報われたと思います。本当にいい演技でした。最近レビューした映画『夏服のイヴ』の山越正樹君にどことなく表情が似ているのも印象に残りました。
前世の妹は憧れのバスガイド(古いなあ..)になってすぐ、乗客を守って暴漢に刺されて救急車で病院へ。その同じ病院で今の妹が生まれたのですが、魂が同居してしまったとの事。そして20数年後。妹の結婚式の日。前世の妹は同居を止めて天に登っていきました。
妹が生まれた日。父は幼いトシキを抱いてバンザイ!
同じ時間。ある女性が病院に運ばれて亡くなった...
夢に出てきた亡き両親。トシキ、妹を守るんだぞ!
ボクは誰が守ってくれるの? お前は男の子やろ!
妹のノートをそっと覗き見したトシキ。
そこには知らない家族の名前が何回も書かれていた。
妹は打ち明けた。私の本当の家族は彦根にいるの。
トシキはしぶしぶ妹を連れて彦根に出かけた。
あれはウチのお父ちゃんや。妹の指さす先には骸骨のように痩せた老人がいた。
あのぉ...コレ通りかかった女の人に渡すように頼まれました。トシキは嘘をついて妹の弁当を渡した。
妹の前世の父はすぐに気づいた。死んだはずの娘の作った「花まんま」や!
老人の左は前世の兄(六角精児)、右は姉。
妹の前世の父と兄姉が追いかけてきた。トシキは妹を連れて必死で逃げる。
この子は僕の妹です。触らんといて下さい!
(しかしこの後、妹は前世の父と文通を続ける。兄には内緒で)
時代は巡って妹の結婚式。エスコートするのは前世の父。
しかし式の後、妹の記憶から前世が全て消えた。
(おまけ)これが「花まんま」です。
ほんまに(その)まんまやなぁ..
※後記
鈴木亮平さん演じるお兄ちゃんは大奮闘。亡き両親から妹を守れと言われた事を忠実に守ります。妹が本当に信頼できる伴侶に恵まれて結婚。よかったよかった。さあ今度はアンタの番だよお兄ちゃん。このままでは寅さんのように♪奮闘努力の甲斐もなく今日も涙の...になってしまいますよ。
もう一つ。幼い兄弟は住んでいる東大阪から滋賀県の彦根まで行くのですが、JR快速で彦根、そこからローカル線の近江鉄道に乗り換えます。妙に鉄道の風景が多いなと思ったら。なんと六角精児さん登場。前世の妹の兄で京都大学教授という凄い役。それよりも彦根あたりの酒蔵を探して呑み歩いている方がお似合いですね。