グレッグのダメ日記 (2010年)

製作年・国 2010年・アメリカ
少年映画評価
お薦めポイント ダメだけれど、ひたすら前向きな少年の1年間
映画情報など 日本未公開/DVD発売済


2014年末から2015年始にかけて9連休でした。テレビはロクなものが無いので、たまっていたDVD鑑賞に明け暮れる毎日。その中で、小品と思ったのに意外に面白かったのが本作品です。実はノースエンド先生から、既にレビューを貰っており、ちょっと気になったので、休み前に入手。(新品でも900円ちょっと)

ノースエンド先生のレビューよりも先に公開してしまうのは、先生に申し訳ないのですが、また違った視点でのレビューとして、読み比べてみて下さい。

お茶目なオープニング。アメリカ人少年にしては短い半ズボン
(但し映画では、この服装はありませんでした)

少年グレッグ(ザカリー・ゴードン)が主人公。中学(ミドルスクール)へ入学した1年間のドタバタ物語。少年にとって中学校生活はバラ色ではなく、試練そのものであることは、日米でも同じなんですね。うまくスタートしないと、悲惨な数年間になりはしないか。

兄におどされ、中学生活を危惧しながらも、自意識過剰なグレッグは、中学一の人気者になりたいとの野心がメラメラ。親友のロウリーと二人で、中学生活が始まった。友人のロウリーは、中学生とは思えない子供っぽさで、ママ離れできず、子供キャラクターを愛する太目の少年。こいつには負けないだろうと安心して、ロウリーにおせっかいをやくグレッグ。

ランチタイム。どのテーブルにも座れず、部屋の隅の床で寂しくランチ。一念発起してレスリング部に入部するものの、学年で1番の鼻つまみ者で貧相な少年や、女の子にも負ける始末。しかもそれを学内新聞記事にされてしまう。安全パイだと思っていたロウリーを裏切る行為をしてしまい、ロウリーから絶交される。おまけにロウリーが漫画の才能で人気者になり、とうとうグレッグは最下位転落。

その後も、学内ミュージカルに出場したり、なんとか人気回復と悪戦苦闘するも全て裏目に。誰もグレッグを相手にしてくれない。いや一人いた、鼻つまみ少年がグレッグを好きだった。彼の家に招待されて行ったが、あまりの不潔さに、逃げ出してしまった。

人気者になるのはあきらめても、親友ロウリーとは仲直りしたい。そんなチャンスがやってきた・・そして彼は学校一の嫌われ者になったが、ロウリーとの絆は回復。


レスリングの試合。おお〜っ反則!
グレッグ。意外と美少年な面も

 アメリカ版のずっこけ3人組か、はっちゃくか

原作はアメリカでは非常に人気のある児童小説とのこと。とにかくドタバタですが、主人公にとって徹底した自虐的展開。ここまでくると、ある意味爽やかで、もっと主人公の困る姿を見たくなってきます。

オープニングから、非常に丁寧に作られています。主人公のグレッグは、愛と正義の日本的正統派少年ではなく、結構わがままで、自分勝手なところがあり、失敗しても同情できず、もっと苛められて欲しい、なんてさえ思えてきます。

但し、最近の日本人少年のように受け身ではなく、常に何か行動を起こしていく姿は、見習わなくてはいけません。この辺りがアメリカの強さでしょうか。

どこの社会にも、小さなタブーはあるもの。それに関わらず、事なかれで過ごすのが一番です。本作品では、1枚のチーズがタブーになっています。詳細は書きませんが、これが最後のキーになり、グレッグは少しだけ名誉回復になる訳です。

 グレッグを演じたザカリー・ゴードン君

主人公は中学1年生という事で、日本とは違うのかもしれませんが12、3歳でしょうか。グレッグは学年で1番身長が低いという設定ですので、全体には幼いのですが、顔はしっかりとした少年です。

決して美少年という感じではないのですが、この役にはピッタリ。面白かったエピソードが一つ。学内ミュージカルのオーディションで、歌を唄うのですが、これが美声で非常に上手い。(歌は吹替えのようですけれど)

なので、先生に「男の子だけれど、ヒロインのドロシー(オズの魔法使い)役がいいわ!」と言われてしまいます。その時、グレッグが妄想したのが右の写真。スカートをはいたドロシー役が妙に似合っているではありませんか。

これは是非、この展開で女装役をやって欲しかったのですが、グレッグの天敵少女(PTA会長の娘)から横槍が入り、ドロシー役はおじゃんになってしまいます。

このエピソードだけは、グレッグに成功して欲しかったのですが、やっぱりドタバタでぶち壊し。もう「てめえのバカさ加減に、父ちゃん情けなくて涙が出てくらあ!」状態でした。(あばれはっちゃくの父ちゃんの名セリフ)

 シリーズ化。そして日本はスルー

本作品はアメリカではそれなりにヒットしたようで、第3作まで映画化されているようです。残念ながら、日本での劇場公開は見送られました。日本では「少年ものはヒットしない」ので、どこも配給したくなかったのでしょうか。

それでも、DVDが発売されただけでも本当に有り難い。2作目の「グレッグのおきて」も注文してしまいました。3作目はDVD化されていないのが残念ですが、米国Amazonから直輸入でもしましょうか。

本作品には、日本で大人気のあの大物少女俳優が出演しているのです。クロエ・グレース・モレッツさん。なので彼女の人気を勘案して、日本でもDVDを発売したのかもしれません。逆に言えば、彼女が出演していなければ、DVDも完全にスルーだったかも。そういう意味では、クロエさんに大感謝です。

但し、いくら大物少女俳優とはいえども、主役は完全にグレッグのザカリー・ゴードン君ですので、クロエさんファンには物足りないかもしれません。

でも少年ものは、100%少年俳優に力を入れて作る、一見当然ですが、米国はさすがです。これも米国映画の力かもしれません。最近の日本映画では、100%少年小説原作の映画でも、いったい誰が主役?みたいになってしまいますので。とにかく必見の映画ですよ。

クラスメイトの気になる少年。
緑のシャツの子は少年ですよ。
ロウリーとグレッグ。最後は仲なおり。また親友に


(参考〜こちらも見て下さい)第2作『グレッグのおきて




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