リメンバー・ミー (2017年)

製作年・国 2017年・アメリカ(原題:COCO)
少年映画評価 A+
お薦めポイント 主役少年の声を担当した石橋陽彩君の声と歌
映画情報など 2018年日本公開。4K/BD/DVD発売中。
写真は主役のメキシコ少年ミゲル


トランプ大統領がクソミソに貶したメキシコ。その国の美しいお話。それを米国のディズニー(ピクサー)が製作して大ヒット。おまけにアメリカのアカデミー長編アニメ映画賞受賞というのが何とも皮肉。

日本でもかなりの大ヒット。色々なファンの方が情報発信されていますので本レビューは簡単に。国内では日系少年が主人公だった映画『ベイマックス』ほどの興行収入はなかったようですが、話題になったのが吹替を担当した石橋陽彩(ひいろ)君。

当初の各種映画ニュースでは日本語版の吹替役者名に藤木直人さん、松雪泰子さんはあっても主役の石橋陽彩君は名前すら無視。ところが公開が始まると石橋君の素晴らしい歌声が話題となり、TVやネットに引っ張りだこ。まあ嬉しい事ではあります。

もちろん本作品は音楽だけがいいのではなく内容もしっかりとしていますので、子供から大人まで楽しめる良質な少年映画だと思います。繰り返します。少年映画ですよ。

夢だった音楽コンテスト。死者の国でようやく夢がかなった?ミゲル

メキシコのある町に住む12歳の少年ミゲルが主人公。ミゲルの家は曽々祖母イメルダの時代から靴作り専門の家系。そして厳しい家訓があった。音楽は絶対禁止。イメルダの夫(ミゲルにとって曽々祖父)が音楽にうつつを抜かして家族を捨てたからだ。しかしミゲルは隠れてギターを弾き歌を歌っていた。

曽々祖父の写真は破られていたが、その切れ端にギターが写っている。ミゲルはそれが国民的歌手デラクルスの墓所にあるギターだ気づいた。墓所に忍び込みギターを手にした瞬間、ミゲルは死者の国にワープ。その日は年に1度死者が帰ってくるという死者の日。ミゲルは死者の国で曽々祖父のデラクルスを探し音楽を許して貰おうと...

ところがヘクターという男がミゲルに絡んできた。死者は自分を覚えている(生きている)人間がいなくなると消えてしまう。自分を覚えてくれいるのは娘のココだけ。どうしても死者の日にココに会いたい。ミゲルに協力してくれと。ミゲルは断るが、やがてココとは自分の曽祖母だと気づく。その父のヘクターは探していた曽々祖父だ。

大歌手デラクルスではなく、こんな貧相な男だったのか...しかしそこには大きな秘密があった。

 最初は英語版(字幕付)、次に日本語版で

レンタル開始初日にブルーレイを借りました。石橋君の声を聞きたい気持ちを抑えてまずは英語版。ストーリーを把握するのは字幕版の方が早いからです。早送りしても字幕見れますので。ところが最初から入ってしまい気付けば1時間45分。恥ずかしながら最後は少し涙さえ。

レンタル2泊3日だったので翌日に日本語版。歌は石橋君の方が力強い。でもどちらが優劣なんてありません。本当に楽しめました。ミゲルにどっぷりと感情移入。愛おしい少年です。最近はアニメ映画でも少年が主役のものは少ないだけにヒットした事が素直に嬉しい。

 死者の国とは...

本作前半はゆっくり。後半はジェットコースターのような展開。その中で判って来るのが死後の世界。メキシコの宗教観なのか判りませんが興味深いところ。同時にツッコミ所も。例えば年に1度の死者の日。日本のお盆のような感じですが、死者がこの世に帰ってくるには要件があります。

この世で必ず自分の写真を飾ってくれていること。写真の無い時代はどうだったのでしょう。肖像画?
またこの世で自分の事を覚えている子孫等がいなくなれば死者は死者の国からも消えてしまう。家族主義の強いしきたりのような気がします。生涯独身者とか身寄りのない人は死者の国でも生きれない?

この死者の国とは、仏教で言う中陰、中有のことで、あくまで死者が一時的に滞在している世界ではないでしょうか。まだこの世に係累や未練がある者が残っている世界。そして消えていった先が本当の次の世界(よく知りませんけれど)

柄にもなく宗教論みたいになってしまいました。それはさておいてこの映画の死者の国はカラフルで美しい。光り輝く虹色。そしてなぜか路面電車やロープウェイが走るノスタルジックな風景。井上直久氏の「イバラードの旅」という絵を思い出したりして。

音楽は絶対禁止。でも屋根裏でミゲルはこっそり...
憧れは国民的大歌手だったデラクルス
死者の日。ミゲルはこっそりデラクルスの墓所に...
飾ってあったギターを手にした瞬間、死者の国へ


死者の国でヘクターという冴えない男に会った
(靴墨で骸骨のメイクをして貰った)
骸骨メイクの方が可愛いなあ...
(ハロウィンでこのメイクする人が多そうな予感)


音楽コンテストで「ウン・ポコ・ロコ」
(ヘクターもノリノリで。最後はお姫様だっこ)
ヘクターが本当の曽々祖父。でも消える時が近づいた...
娘のココにどうしても会いたいんだ


ヘクターが愛したの娘ココはミゲルの曽祖母だった
ミゲルはヘクターの歌「リメンバー・ミー」を...
ここは本当に泣かされました。(ここ=COCO)
日本語版のミゲルの声を担当した石橋陽彩君
(歌は本当にプロ級。もう声変りですけれど)
(一度骸骨メイクが見たかった...)





▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼外国作品庫へ戻る