台湾中部のある小学校に男性教師(ケニー・ビー)が赴任してきた。クラスは悪ガキ3人組など個性豊かな子供たち。教師は町の映画館の2階に下宿。子供たちにもすぐ溶け込み、美人の音楽教師とも親しくなった。しかし台北から元恋人が学校までやってきて大ヒンシュクを買う。
悪ガキの林(ジョウ・ピンチュン)の家に従姉妹の美少女がやってきた。林は毎日が幸せ。怪我をしたフクロウを一緒に飼ったり。勉強の出来る周(ジョン・チュアンウェン)の母は離婚。父に反発した周はと妹と家出。駅で保護された2人を教師と父親が迎えにいった。やがて教師は音楽教師と結婚した。悪ガキたちも少し成長した。
特にドラマチックな展開がある訳ではありません。でも小さなエピソードをつなげて、大きな流れのような満足感と懐かしさが感じられる作品。これがホウ・シャオシェン監督の世界ですね。言葉を聞かなければ、風景も人物もまるで日本そのもの。
違法な漁猟をする男に「川を汚すな」と教師や子供たちが非難します。これは何となく宮沢賢治「風の又三郎」を思い出します。また野性のフクロウを飼った少年が、父にフクロウを処分されて泣き喚く。これは英映画『ケス』の影響も感じます。でも決してパクリだとは思いません。
教師役を演じたケニー・ビーさんは香港の人気歌手・俳優だそうです。最初にやってきた時はギターをかかえていました。日本風の熱血教師ではなく、淡々とした先生ぶりが台湾らしくて好印象でした。皆様もどこかで中古ビデオを見つけたら是非ごらんになって下さい。