日本では大人気のアニメ。何かあるとラストシーンが放送されます。お話の舞台であるベルギーではあまり知られていないとも。米国でも人気なのか、何回も映画化。この1998年版が最後。日本では2009年に『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』という題で日本風にアレンジした作品が作られました。
吹雪の中を幼児を抱いた女性がある家にたどり着いた。彼女の父の家。女性は息子ネロを残して息を引き取った。8歳になったネロ(ジェシー・ジェームズ)は祖父を助けて牛乳配達。倒れていた犬を拾いパトラッシュと名付けた。パトラッシュはネロと祖父を助けてくれた。ネロは絵が上手く、近所の少女アロアや風景を描いていた。
12歳に成長したネロ(ジェレミー・ジェームズ・キスナー)の絵はある画家の目にとまり、画匠ルーベンスの話を聞いた。しかし災難が続く。アロアの家の火事の犯人にされ、最愛の祖父も亡くなり、家も追い出された。頼みの綱はコンクールに出した絵。それも落選。雪の中を一人で歩き大聖堂のルーベンスの絵の前で、追いかけてきたパトラッシュと一緒に天に召された。
ネロの母も素晴らしい絵の素質を持っており、あの画家の弟子でもあり恋人でもあった。ただ当時の社会は女性に厳しく、母は子を宿した時に自ら身を引いた。つまりあの画家はネロの父だった。こりゃ出来過ぎストーリー。でもネロの母親を主人公にした映画も作れそうな気がします。
さて最初に登場した8歳位のネロ。可愛いのですが、ずっとこの子がネロなら私にはちょっとキツい。最近になって思うのは、少年映画と子ども映画の違い。何度も書いていますが、欧米の子ども映画は、見るのが苦痛に思う事さえあります。この辺りの思いは、また整理してどこかで書きます。
とにかく12歳のジェレミー・ジェームズ・キスナー君に代って映画が引き締まりました。色々と厳しい状況に追い込まれていく中で、宗教的なこと哲学的なことを含んで内省的に自分を捉えるような(自分でも何を書いているか不明)少年になっていく様子が心に残ります。