天空に夢輝き 手塚治虫の夏休み (1995年)
初回放送・製作 |
1995年8月19日・NHK総合 |
作品評価 |
B |
お薦めポイント |
手塚治虫の小学生時代。変なおじさんとの交流 |
関連情報など |
NHK大阪開局70周年記念ドラマ。DVD発売中 (写真は手塚治虫役の吉澤拓真君) |
1995年は激動の年でした。阪神淡路大震災にオウム事件。技術も大革新。Windows95リリースにより本格的なデジタル時代に。そして日本のパソコンメーカーの凋落が浮き彫りになっていった時代。
NHKは威信をかけてアナログ・ハイビジョン放送を推進していましたが、当時の私にとっては高嶺の花。ハイビジョン放送がある事も知りませんでした。(給料は、NECのPC98、当時軽自動車並み?だったMacに注ぎ込んでいましたので...)
本作品はそんなハイビジョンで放送された作品。当時は見れませんでした。2018年の年末。スカパーのファミリー劇場で手塚治虫特集があり、たまたま録画したものです。良くも悪くもNHKらしい作品。朝ドラっぽいのがねえ...
夏休み。治は友人と2人で昆虫採集。そこへ変な男が現れた。
(左の少年イケメンですなあ...キャストロールを見ても誰が誰やら判らない...)
手塚家は現在の宝塚に引っ越してきた。長男の治(吉澤拓真)は、池田師範附属小学校に通うお坊っちゃま。漫画と空想話が得意でクラスの仲間の人気者。しかし空想話が暴走してウソをつく事があり、先生から度々注意され、とうとう父親から漫画を読むのも,描くのも禁止されてしまった。
小5の夏休み。変な男(田中邦衛)が宝塚の町に現れた。手塚家や他の家で故障した時計などを手品のように修理。たちまち町の人に重宝がられるようになった。修理だけではない。治たちの昆虫採集についても秘伝を教えてくれた。治は男に惹かれていく。やがて男はまた旅に出かけるという。
治は漫画を禁止された家にはいたくないので、男に連れてってくれと頼み込む。男は思案の後、今晩12時ちょうどに山の広場へ来い。そこで神様のお告げを聞いて決めようと。治は喜んで準備するが、はっと気がつくと朝。男は行ってしまった。打ちひしがれる治。そんな時、男が倒れて入院したとの連絡が...
いい環境で育ったんですねえ...手塚先生
宝塚の大きなお屋敷に住み、穏やかなお父様、美人のお母様、お手伝いさんもいて、庭には運動神経の鈍い治のために鉄棒まであって。学校は大阪池田師範附属小学校(本作品放送から6年後の2001年。大変無残な事件が起きた小学校ではないかと思います。犠牲者の子供達の事を考えると本当に悲しい。)
少年・手塚治虫を演じたのは吉澤拓真君。両親役が三浦友和さん、松原千明さんという折紙つきの美男美女にしては地味なお顔(妹や弟役の子はそれなりに可愛いのに)。丸メガネが上方落語家の桂文珍師匠そっくり。
でも1997年の映画「学校の怪談3」ではイケメンになっているではありませんか。やはり丸メガネがいけないのかなあ。東京出身なので関西弁にやや違和感。でも演技レベルはさすがに高い。あと名前は判らないのですが、友人役の少年が結構イケメンだったので、そちらにばかり気を取られました。
圧倒的な存在感の田中邦衛さん
NHKの朝ドラのようなゆる〜い雰囲気で退屈しはじめた時に登場したのが、流れ者の男を演じた田中邦衛さん。やはり独特のムードは大したもの。一気にドラマが活性化。治少年との交流もハラハラ。
結局は叶いませんでしたが、if もしも版があって、少年と男が果てしない放浪の旅に出ていく。男は国内だけでなく満州やアジアへも足を伸ばす。壮大なロマン物語...なんて妄想してしまいます。
(♪ああもう僕の妄想ストーリーは ブレーキが効かなくて...)
治は漫画を描くの読むのも夢中だった
(この時期漫画を買って貰える裕福な家庭...)
時代は戦争へ。男子は体力が全て。治はからきし...
(右はお手伝いさん。しかし自宅に鉄棒とは...)
ついに漫画は禁止された
(この時代にポリエステルのシャツはないでしょう...)
流れ者の男は昆虫採集の秘伝を教えてくれた
(蝶には通り道があるんだ。そこで待つこと)
男についていって家出する作戦は...
(右のビンには男が獲ってくれたオサムシが)
(このシャツは綿か麻なので、時代考証的にOK)
男が倒れて、病院に担ぎ込まれた。
(実は重病を患っていたのだ。男は治に最後の言葉を...)
もう1枚。イケメンの友人
(もうちょっと出番があってもよかったのに)
ラストシーンは地震で廃墟になった神戸の街
(不死鳥である火の鳥が現れた...)