<あめふり>
小学生のコータ(北村匠海)はわがまま放題な少年だった。家はそれなりに裕福で進学塾に通っているが、母親には悪態つき父親の注意は無視。ある日、傘を持っていけと言われたのに無視して塾へ。そして強い雨。コータは電話で母に傘を持って来させる。そして帰り道、柳のねかたで1人の少年(西山潤)が濡れて立っていた。
どういう気まぐれかコータはその少年に傘を貸してやった。少年はなぜかコータと母の家まで一緒についてきた。ドアを開けた時、コータと少年が入れ替わってしまい、両親から「お前は誰だ、警察を呼ぶぞ」と追い出されてしまう。何を言っても両親は聞き入れてくれない。
入れ替わった少年は不敵な笑みを浮かべながらコータに「この両親はお前にはもったいない」と。コータは行く場所がなく、少年がいた柳の下に濡れて佇むしかない。両親への態度を悔いても悔いても...その時、少年が戻ってきた。「わかったか...」というような顔で。次の瞬間、コータは元に戻った。
<とうりゃんせ>
7歳のタカシ(守田聖正)は母とドライブ。ハイキングに行くというが母の顔に笑みはない。母が口ずさんだ「通りゃんせ」。タカシはなぜ「帰りは怖い」と尋ねるが母は無視。山の中のお堂へ続く坂道の前で車を停め、タカシの手を引いて登りだした。そこへ老婆が現れて不気味な言葉を吐くが、母は逃げるようにお堂に登り着いた。
お堂は清水の舞台のように崖の上。母はタカシをそこから...ここで主客反転。タカシは幽霊だった。1年前の今日。タカシは母に突き落とされたのた。母の再婚にはタカシが邪魔だった。しかしそれ以降、タカシの霊に悩まされた母は成仏して貰おうとここに来たのだが...