雨と冒険 (2003年)
作品総合評価 |
5点 |
少年の出番 |
95%(準主役です) |
寸評 |
小学生のショートストーリー。ややマンネリ 【少年映画でない理由】あくまで少女が主役 |
映画情報など |
2003年製作。DVD発売中 (写真は準主役の小林優太君) |
オムニバス映画DVDのMovies-High4に収録された短編映画。Movies-Highについては重複しますので、同じDVDに収録されていた映画「ちりんちりん」のレビューを参照して下さい。
「ちりんちりん」もそうですが、本作品単体ではネットを検索しても全く情報が出てきません。DVDの冒頭のテロップだけが頼りです。監督は佐藤祐介さん(同姓同名の俳優さんもいました...)。サンタマニア・ショートフィルム・フェスティバル2003入選、京都国際映画祭2003入選となっています。
入選とはいえ結構評価されているようです。私としては無冠?の「ちりんちりん」の方がずっと良かったと思うのですkれど。
同級生とはいえよく知らなかった2人。この日、2人には何かのつながりが生まれた...
■ストーリー
ある小学校。6年生の秀(小林優太)が登校してきたが、授業時間なのに誰もいない。女生徒のあさみ(堀川優)もやってきた。秀は(転校生のため)あさみの事をよく知らないが、気になる女子ではあった。2人の間に気まずい空気が流れる。そこへ更に2人の男子が。どうやら台風で今日は休校なのに連絡網に不備があったようだ。
急に大雨が降り出した。あさみは別の中学に進学するらしい。何があったのか用務員に女子の連絡ノートの処分を依頼している。それを見つめる秀。どうやら あさみも秀の事を少し特別に思っているようだ。しかし空気の読めない2人の男子が連絡ノートを取り返そうと騒ぎ出す。
やがて嵐のような雨が上がった。4人は学校を出る。秀とあさみはお互いに見つめあって...
■16分で描くには少し厳しい
誰もいない教室。取り残された生徒たち。このシテュエーションは映画では定番。学校の怪談シリーズ、相米慎二監督の「台風クラブ」なんかもそうでした。本作品も雰囲気はいいのですが、子供が主役でたった16分では印象に残る作品は作れないでしょう。
主役少女の堀川優さん、少年の小林優太君。この2人だけに出演者を絞ってもう少しエピソードを加えて欲しかった気がします。残りの2人は台風休校とか、あさみの事情とかの説明役でしかないようです。
■用務員への差別
本作品の最大の欠点。それは2人の男子児童が用務員の男性に子供とは思えない態度をとること。教員には敬意を払うけれど用務員はクズのように思っているのでしょうか。勿論社会的な認識はそうかもしれませんが、少年映画でコレは本当に残念です。
映画「プルシアンブルーの肖像」では玉置浩二さんが用務員役をやっていましたけれど、児童になめられるような情けない役でありませんでした。ところで今でも小学校には用務員っているのでしょうか。
雨の日、何も知らず学校へやってきた秀
(転校生なので休校連絡が来なかった訳でもなく)
一人かと思っていると、あさみも登校してきた
(ちょっと微妙な雰囲気。でも男ならチャンスだろ?)
そこへまた男子2人が登校。お邪魔虫め!
あさみは「ちょっと」と言って、いなくなった
秀も「ちょっと」と言って、あさみを探しに...
階段のおどり場で見つけた。「何してんだ」
連絡ノートを処分。その事は何も問わない秀
(2人の間に、ちょっと恋のようなものが...)
予報を裏切って雨が上がった。家に帰る秀
(青空をふり仰いで、ちょっとにやけて...)
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