製作年・国	1958年・メキシコ
少年映画評価	Ａ+
お薦めポイント	リメンバー･ミーの原点のようなメキシコ少年
映画情報など	1958年製作。VHSビデオ廃盤 写真は主役のリカルド･アンコナ君。

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2018年公開の映画『リメンバー･ミー』はディズニー作品でもあり日本でも大ヒットしました。12歳のメキシコ少年ミゲルが主役のアニメで、日本でここまでヒットするとは関係者も思っていなかったりして...

このアニメを見て思い出したのが本作品。リッチでカラフルなディズニー映画。モノクロで素朴な本作品。見た目は全く違いますが、同じ物語ではないかと思ったのです。いわばリメンバー･ミーの原点が本作品。

同時代の作品である、スペイン映画『汚れなき悪戯』(1955)や、フランス映画『白い馬』(1953)との類似性も大きく、この時代の少年映画の作風だったのかもしれません。本作はスペイン語ですけれど、言葉なんて判らなくても映像だけで殆ど理解できますよ。

　少年は神に召されたのでしょうか...

ネタバレになります。バイオリンを愛した少年は川に落ち、渦に巻き込まれて消えていくところで映画は終わります。たった1人の愛する息子を亡くした母の気持ちはどれだけ悲しいことでしょう...

ところが映画の雰囲気になぜか悲壮感がないのです。少年は神に召されて天国で好きなバイオリンを思う存分弾けるのか。あるいは少年の先祖たちが精霊の日に呼び寄せたのか。またはあの老人が呼び寄せたのか。（老人の素性は全く説明がありませんが、実は有名な音楽家の成れの果てだったのかも）

｢汚れなき悪戯｣のマルセリーノはキリストの像に導かれて天国へ。｢白い馬｣の少年は馬に乗ったまま海へ。キリスト教の事は判りませんが、そんなのもアリなんでしょうか。

　リメンバー･ミーとの類似点

わざわざ書く事もないのですが。本作のファニトはバイオリン。リメンバーのミゲルはギター。貧しいメキシコ少年は自分で作るしかありません。でもファニトは老人のバイオリン、ミゲルは偉大な音楽家のギターをこっそり持ち出すのは同じ。

そして精霊の日、あるいは死者の日と呼ばれるお祭りの夜の物語。日本のお盆と同じ。死者が里帰りしてくる日なんですかね。そういえば本作で描かれるメキシコの風俗はどこか日本と共通点も。

キリスト教と現地の信仰がミックス（日本で言えば神仏混淆）した感じです。母親の病気は伝統的な薬草とお祓い（これ本当に日本のお祓いと同じ）で治療しようとするのですが、そんなので治る事はマレ。たまたま村に巡回にきた医者に注射を打って貰って母は治りました。

とにかく｢リメンバー･ミー｣を見て感動した方には是非とも本作｢ぼくの心はバイオリン｣も見て欲しいのですけれど。今の日本でビデオやDVDを探すのは至難の技。残念でなりません。
と思っていたら...なんと全編youtubeに。原題のYancoで検索を（Yancoとは老人の持っていたバイオリン）