先生、僕が見えますか(1999年)

初回放送・製作 1999年3月20日・関西テレビ
作品評価
お薦めポイント 日本の怪談番組では数少ない少年の幽霊
関連情報など VHSビデオ絶版
(写真は佐々木和徳君)


契約しているスカパーのファミリー劇場で再放送された「学校の怪談 春のたたりスペシャル」の第1話です。まず「学校の怪談」の名のつくものは映画やビデオを含めると数え切れないほどあり、どれがどれだかよく判りません。(映画シリーズを除き)もう全部を見ようなんて気はおきませんけれど。

関西テレビ制作の「春の...」シリーズには「たたりスペシャル」の他に「呪いスペシャル」「物の怪スペシャル」があり各々3,4話くらいで構成されています。一応はスカパーでざっとは見ました。関西制作の割には東京のメジャーな俳優さんが出演していますのでチープ感はそれ程ありません。

ただ最初の第1話で「僕が見えますか」というフレーズが心に残り、演じている少年にどこか見覚えがあるなと思っていたら佐々木和徳君。それほど大した作品ではありませんが、1番印象に残ったものです。

深夜の教室に現れた少年の幽霊。ちょっと怖い目つきをしています

ある小学校に赴任した新任女性教師。初めての宿直の夜、廊下で少年の幽霊を見て腰を抜かしてしまった。それ以来、昼間の教室でも廊下でも少年の幽霊が見えてしまう。前年の生徒名簿の写真を見ると、5年生で事故死した少年(佐々木和徳)だった。しかし見えるのは彼女だけ。

やがて幽霊騒ぎを聞きつけた少年の両親が女性教師に会いに来た。「なんとか息子に会わせて下さい」女性教師は両親と深夜の教室へ。少年はいた。しかしなぜか両親には見えない。両親は毎日のように学校に来た。しかし少年は女性教師に言った。「もう学校へ来ないように両親に言って下さい」

少年は優等生で両親に反抗など全くしない素直な子だった。しかし優等生を無理して演じていただけだった。塾へ行く時間が遅れて焦り踏切をくぐろうとして電車にはねられたのだ。やがて卒業式前日、ついに少年は両親の前に現れた。「先生、僕の卒業式をして下さい」両親と先生、用務員だけの寂しい卒業式。それが終わると...

 なぜ肉親ではなく見知らぬ女性教師に

さして特徴のある話ではありません。またちっとも怖くありません。幽霊が口裂け女とか、花子さんだとちょっと不気味な感じがしますが、少年ですから。でも考えれば悲しい話です。両親に対していい子でいようとのプレッシャーで事故に至った訳なのに、両親に恨みを見せる事もなく。

全く無関係の女性教師にだけ姿を見せるとは。まあこれは両親を呼び寄せて自分の本当の姿を知って貰うための計算された戦略だったのかも。両親にとってみれば、幽霊でもまた3人で一緒に生活したいとまで思う最愛の息子なのに、自分達には姿を見せず赤の他人と交信するとは...悲しい事に違いありません。

でも最後は姿を見せて昇天していきます。ちょっとアニメ「フランダースの犬」最終回を思い出したりして。少年の霊というのが私には本当にプラスポイント(作品の出来は大した事ありませんけど)

塾に遅れるのは困る。なのでくぐってしまった
(優等生を演じるプレッシャーが焦りを..)
少年は亡くなった。遺影の顔は明るくて素直な少年

 俳優さんについて

佐々木和徳君。幽霊役ですからセリフが多くある訳でなく、じっと佇んているシーンが主体。それでも存在感はありました。ちょうど「しあわせ家族計画」、「ひまわり」、「NAGISA」と同時期の撮影。考えてみればこの頃は売れっ子少年俳優でした。

一連の怪談の案内役を吉本新喜劇のいけのめだかさんが勤めています。めだかさんには大変失礼ですが、東京の有名俳優陣に比べると、コテコテの大阪人はどうも荷が重い気がします。私のような大阪人には馴染みやすくて好きな人ですが、全国レベルに出る人でないような...(すみません)

ビデオは絶版になっていますが、youtubeやスカパーで配信されていますので、ご興味のある方はご覧になって下さい。

本当は勉強より本を読むのが大好きだった
(幽霊になったら気のすむまで本が読める)
卒業式の前日、青い光の中で両親の前に
(目をつぶると僕の姿が見えるよ)

少年だけの卒業式。先生から卒業証書を貰う。
お父さん、お母さん、これで本当のお別れです。
(卒業式なら、半ズボン制服にして欲しかったりして)





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